野村:ロシアや中国、韓国から船でやってくる“YOU”に直撃することもあります。あとは「YOUの地元LOVE何ですか?」というコーナーで、鉄道沿線に住んでいる人にインタビューしています。近々放送される秋の2時間スペシャルでは、紅葉の盛りの会津鉄道で旅をするYOUに直撃インタビューします。
――声を掛ける基準はありますか?
野村:よく声を掛けるのは、バックパッカー、見た目が個性的な人、そして美人(笑い)。でもみんながその傾向になってしまうと偏ってしまうので、現場にいる個々のディレクターの嗅覚に任せています。あの人何しに来たんだろう、彼らはどういう集団だろう、というふうに興味を持った人に対して声を掛けています。
――ディレクターの腕の見せどころですね。
野村:予定調和にならないように、行き先やその目的が分からないというドキドキ感は大切にしています。高校時代から20年来の友人だというカナダ人4人組を密着した時のことです。彼らは事あるごとに、「キャボション!」と合言葉を叫ぶのですが、ほとんど車に乗って移動するだけでどこにも立ち寄らない。途中でウ◯コを漏らしてしまうというハプニングはありましたけど…。ずっと車のバックショットしか撮れないまま何日か経った後、スタッフがホテルに行ったら、彼らはもう出発していて、置き手紙がありました。「自分たちだけで旅をしたい」と。
――それは密着しているスタッフも困りますね。
野村:でも密着が強制終了してしまうところもリアルにお届けしたいと思っています。逆に何でもうまくいって予定調和になってしまうと、この番組の面白さが減ってしまうので。日本車好きのオーストラリア人が、GTRに乗って峠でビューンと行ったまま、二度と会わなかったということもあります。皆さん、成田では気分も高揚して「取材してもいいよ」と言ってくれるんですが、ずっとカメラがいると疲れてしまう人もいるみたいです。外国人の皆さんには日本を楽しんでもらいたいので、なるべく邪魔にならないように、空気になるように努めていますが、それでも連絡が取れなくなってしまうことはありますね。
◇『YOUは何しに日本へ?』
日本の空港で、来日したばかりの外国人に「YOUは何しに日本へ?」と質問。それに答える様子を紹介し、ユニークな返答をした人に密着取材する。毎回、予想外のハプニングが繰り広げられ人気を呼んでいる。スタジオでの司会は、バナナマン。今年9月、放送100回を達成した。11月9日の放送では、佐世保バーガーをハイテンションで食べまくり、佐世保市長から表彰までされたSBK(佐世保バーガーキング)ことオーストラリア人YOUのジュリアンさんが家族を連れて再来日した様子に密着する。毎週月曜夜6時57分~。