黒田電気以外の「村上銘柄」にもプロたちが注目しているということだ。金融庁に提出される大量保有報告書によると、村上氏やその運営ファンドが積極的に投資を進めているのは、ゴルフ場運営会社・アコーディア・ゴルフ、半導体商社・三信電気、エレクトロニクス商社・エクセル、自動車部品メーカー・ヨロズ、メディア事業・セブンシーズ・ホールディングス、金融サービス・日本証券金融の7社だ。
黒田電気以外の6社の株価は、まだ急伸しているわけではない。今年7月13日に大量保有が明らかになったエクセル株の場合、直後の数日間で株価が500円以上も上昇したが以降は値を戻している。今後の値動きをどう読むべきか。
「他の銘柄も株価上昇のタイミングは今後必ず訪れる」と話すのは、村上氏について数々のレポートを発表してきたジャーナリストの高橋篤史氏だ。
「大量保有が判明した後の一時的な高騰と調整はニュースに反応したにすぎない。
黒田電気のケースのように具体的に動き出すと、株主にとっての好材料につながることが多いので、継続的に株価が押し上げられていく。今後、村上ファンド銘柄企業の多くで動きが出てくるだろう」
※週刊ポスト2015年11月20日号