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大企業の珍ルール ハンコは斜め押し、社内メールの()つき

 ハンコは「斜め」に押すのが礼儀──思わず「本当?」といいたくなる金融業界の不思議なルールが話題を呼んでいる。40代のメガバンク男性社員が明かす。

「ウチでは行内で回す稟議書に押すハンコは文字が少し左に傾くように押します」

 左側の枠に上司がハンコを押すと、部下が背を屈めて上司に「お辞儀」する姿を連想させるため、礼儀正しい押し方だとバラエティ番組で紹介された。

 斜めに押すほうが失礼な気もするが、体育会気質で知られるこのメガバンクでは「ペコリ」が常識のようだ。

「昔からの慣習で、一部の支店ではまだ残っています」(同前)

 こうした独特の不文律は他の大企業にもある。有名なのが日立製作所の社内メールでの「宛名簡略化」だ。

 日立社員の間でやり取りするメールでは「肩書き」「~様」「~さん」などを省き、苗字だけ丸括弧()で囲むという慣習がある。例えば「鈴木課長」なら(鈴木)となる。

「今も社内向けメールのみ時間短縮のため簡略化しています。慣習であり、やらなくても罰則はありません」(日立製作所広報・IR部)

 同社は以前、課長以上へのメールは苗字をカタカナで縮め()で囲む慣習もあった。この場合、鈴木課長は(スズ)となる。よっぽど面倒に思えるが……。

※週刊ポスト2015年12月11日号

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