そのウーバーが日本での導入をめざすのが、「ライドシェア(乗り合い)」サービスだ。これは一般市民がドライバーとしてウーバーに登録し、近くにいる利用者の求めに応じてマイカーで送迎するサービスだ。海外で広く行なわれており、全く新しいビジネススタイルが「ウーバー革命」と称される。

 車両の維持費や配車機能がいらないため一般タクシーより料金が安くなり、運転手の取り分も増える。利用者とドライバーがお互いに得をする「ウィンウィン」の関係となるサービスだ。

 会社の取り分が少なくなるため、既得権益を死守したいタクシー業界は猛反対するが、10月20日に開かれた政府の国家戦略特区諮問会議で安倍首相はライドシェアを認める方針を示した。現在、自家用車による有償運送は「白タク」として禁じられているが、東京五輪や最近の来日外国人の増加を見込んで「観光客の交通手段」(安倍首相)として戦略特区に限って解禁するという。ジャーナリストの佐々木俊尚氏が指摘する。

「日本のタクシー業界は警戒しているが、ウーバーはタクシーと競合するよりも、タクシーの需要を補完する役割になるのではないか。日本の場合、都心よりタクシーの少ない地方のほうがライドシェアの需要が多い。ウーバー型の乗り合いサービスが実現すれば、タクシー利用者の利便性は確実に高まります」

 旧態依然のタクシー業界を少しずつ襲う地殻変動。日本でも「ウーバー革命」は起きるだろうか。

※週刊ポスト2015年12月11日号

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