悪事千里を走るとはよく言ったもの。悪口の言い方を失敗したばかりに、気まずい立場に追いやられてしまった惨めな人も多い。たとえば32才主婦のAさんのケース。
「ママ友仲間とランチをしている時のこと。そんなにイヤだと思っていなかったSさんについて、面白おかしく話を盛って悪口を言ったんです。そしたら、盛り上がって…。その後、Sさんが仲間から外されたんです。私のせいだと、後悔しました」(Aさん)
精神科医・臨床心理士で『悪口を言う人は、なぜ、悪口を言うのか』(ワック)などの著書がある和田秀樹さんは、こうアドバイスする。
「同じコミュニティー内で悪口を言う場合は、せめてボスママなど、立場が上の人を槍玉にあげるとよかったですね」
陰湿ないじめにならないよう、注したいところだ。
一方、42才会社員の女性Bさんの場合。
「“陰で悪口を言わない”をポリシーにしている私。間違いだと思ったことを、本人に直接、『そういう人を見下した態度が、いやな感じを与えるんだよ』と指摘したら、恨みを買ってしまい、自分の悪口をあらゆるところで吹聴されて…。悔しいっ!」(Bさん)
こんなBさんに和田さんは、「欠点を直球で指摘するのは、けんかを売る行為。単なる自己満足です。こういう場合は、相手のためを思った言い方を。言葉はオブラートにくるんで慎重に」と助言する。
では、逆に自分が悪口を言われていたことを知ってしまったら、どうすればいいのだろうか?
「悪口や噂話は尾ひれがついて回るもの。話半分に聞いておきましょう」と、話すのは、精神科医の高木希奈さん。
また、和田さんも「悪口はすぐに消えてしまうもの。スルーするのが大人の対応です。また、悪口と正反対の態度を取るのも手」とアドバイスする。しかし、事実ではなく不名誉なことが噂として広がっている場合は別。
「噂のなかに事実があればそこだけ認め、間違っていることは正しましょう」(高木さん)
人の噂も75日。持ち回りで言われていると思って、気にしないこと!
※女性セブン2015年12月24日号