◆日米の金融政策の違いが円安を後押しする
世界経済にとって最大の不安要因だった中国経済も悲観材料ばかりではなくなり、ここにきて持ち直す兆しも見えつつある。
不動産の着工面積は9月に大幅増となり、これは金融緩和や2軒目の住宅購入での頭金規制を6~7割から4割に引き下げたテコ入れ策が奏功したもの。さらに9月末には1軒目の住宅購入での頭金規制を30%から25%に引き下げており、この動きは加速するだろう。自動車販売も9月から大きく反発。こちらも10月初めから小型車の自動車取得税率を半分にするテコ入れ策が発表済みで、さらなる加速が期待される。
相次ぐ景気刺激策を受けて、すでに政策期待から香港株が底打ちを見せるなど株価も回復基調にある。
日本に目を向けると、米国が金融引き締めに動く一方、引き続き金融緩和を進めており、日米の金融政策の方向性の違いは明確になっている。基本的にはドル高円安基調であることに変わりはない。
そうなると米利上げが現実のものとなることで、2016年前半には1ドル=130円台まで円安が進むことも予想される。日欧の金融相場が継続するなか、円安の相乗効果が加わることは輸出企業の多い日本株を押し上げる要因となり、日経平均株価も2万円を超えた水準で推移する展開が予想されるだろう。
※マネーポスト2016年新春号