口呼吸、口が開きっぱなしの人にありがちなのが以下の項目。一つでも該当するなら要注意だ。

□気づくといつも口が開いている
□口を閉じたとき口角の高さが違う
□ため息を頻繁につく
□唇が乾きやすく、かさつく
□舌に歯形がついている
□朝起きたとき、のどがヒリヒリする
□口臭が強い
□いびきや歯ぎしりをする
□激しいスポーツをしている
□マスクをよくしている

 口呼吸になりがちな現代人に向け、今井さんが改善体操を提案している。

「口のまわりと舌の筋肉を一緒に鍛える『あいうべ体操』というものですが、1日3分ほどを毎日続けるだけで、舌が本来の位置に納まり、自然に口が開くこともなくなります」

『あいうべ体操』のやり方は、『あ』口が円形に近くなるよう、できるだけ大きく開く。『い』前歯が見え、頬の筋肉をグイッと横に開くように。『う』唇に力を込めてとがらせ、前に突き出すように。『べ』舌の先を下に向かって思い切り伸ばすようにする(イラスト参照)。

 この体操を実践する小学校などでは、インフルエンザの感染率が下がるなどの効果も表れているという。

 また最近はやわらかい食べ物が好まれ、噛む力が低下することでも唾液の分泌が低下する。

 唾液の分泌を促進するには、下あごの内側にある唾液腺に沿って軽く指圧する「唾液腺マッサージ」を行ったり、食事は1口30回を目安にしっかり噛むこと。ほかにも、湯に浸かると副交感神経優位になり、唾液が分泌しやすくなるのでお風呂でリラックスするのもいい。また、玉ねぎに多いポリフェノール、ケルセチンには唾液分泌障害の原因、酸化ストレスなどを抑える効果があるという。生活習慣を見直すだけでも、唾液力をアップするきっかけになりそうだ。

 2015年10月に開催された「第11回日本食品免疫学会」で、新たな“唾液力アップ”の可能性が発表された。

 さまざまな機能性が注目されている乳酸菌の中で、『L-92乳酸菌』を継続的に摂ることで、唾液中のIgA抗体を増やすことがヒトによる試験で確かめられたのだ。

『L-92乳酸菌』はこれまでにも、体に侵入したウイルスなどを攻撃して、増殖・拡散を防ぐ免疫細胞・NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を高めることが、動物試験で確認されている。それが今回の発表では、唾液中のIgA抗体を増やすことで、さらに手前の段階でウイルスを食い止められることが明らかになった。『L-92乳酸菌』は、ウイルスの侵入阻止、ダブルの感染防御が期待できるというわけだ。

 この冬は、インフルエンザから身を守るために、自分自身の“唾液力”を高める習慣をつけよう!

※女性セブン2016年1月7・14日号

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