コラム

高額マンションが売れ行き好調 今はバブルなのかの答えは?

 首都圏のマンション市況は新築も中古も価格が上昇したエリアとそうでないエリアの二極化が進んでいるという。不動産の市況調査を手がける東京カンテイ市場調査部の井出武・上席主任研究員が解説する。

 * * *
 2015年は、新築マンション市場も中古マンション市場も、大幅に価格が上がるエリアとそうでないエリアの濃淡が非常にはっきりと浮き彫りになる1年だった。

 価格が上昇基調にある東京23区内でも、その傾向は顕著だ。港区など都心のブランド地区は引き続き、海外の投資家や富裕層にも人気があり、物件は高価格帯で推移している。1億円以上の「億ション」も都心の人気エリアでは売れ行きが好調だ。

 さらに2015年は、2つの大型新築物件が都心に登場し、注目を集めた。三菱地所レジデンスなどが開発する地上60階建ての「ザ・パークハウス 西新宿タワー60」(新宿区)と、東京建物などが手がける目黒駅から徒歩1分の「ブリリアタワーズ目黒」(品川区)だ。ともに2017年の引き渡しに向けて建設中だが、すでに完売している。

「ザ・パークハウス 西新宿タワー60」(最高価格3億5000万円、最多価格帯6100万円台)は今年2月に第1期販売分325戸を即日完売、「ブリリアタワーズ目黒」(最高価格4億5900万円、最多価格帯5800万円台・5900万円台)は7月に第1期販売分495戸を即日完売し、大きな話題となった。

 両者はランドマークとしての付加価値があり、富裕者層の相続税対策や投資をはじめ、実需、インバウンド(訪日外国人)も含め、さまざまな層の二―ズを満たす物件として成功した例だろう。

 特に富裕者層と呼ばれる人々は資産の付け替えや相続税対策などで、魅力的なマンションを資産に組み込んでおきたいと考えており、付加価値の高いマンションを見つけては買う傾向がある。すでに不動産を複数所有している富裕者層が「これは買ってもいい」と思うような魅力のある開発プロジェクトの物件は、高額でも売れ行きがいい。

 ただ、都心でも価格が高いだけの物件は苦戦しており、売れ残っている場合もある。そういう意味では、開発プロジェクトによって売れ行きの濃淡があるのも今年の特徴といえよう。

トピックス

復興状況を視察されるため、石川県をご訪問(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《初の被災地ご訪問》天皇皇后両陛下を見て育った愛子さまが受け継がれた「被災地に心を寄せ続ける」  上皇ご夫妻から続く“膝をつきながら励ます姿”
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
武蔵野陵を参拝された佳子さま(2025年5月、東京・八王子市。撮影/JMPA)
《ブラジルご訪問を前に》佳子さまが武蔵野陵をグレードレスでご参拝 「旅立ち」や「節目」に寄り添ってきた一着をお召しに 
NEWSポストセブン
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
オンラインカジノの件で書類送検されたオコエ瑠偉(左/時事通信フォト)と増田大輝
《巨人オンラインカジノ問題》オコエ瑠偉は二軍転落で増田大輝は一軍帯同…巨人OB広岡達朗氏は憤り「厳しい処分にしてもらいたかった。チーム事情など関係ない」
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン