ファツション性抜群なスマートフォーフォー(ダイムラー)
●第2位/スマートフォーフォー(ダイムラー)
ダイムラーの4人乗りミニカー「スマートフォーフォー」。同名のモデルはダイムラーが三菱自動車と提携していた時代にも存在したが、当時のモデルが三菱「コルト」ベースの普通のFWD車だったのに対し、復活した新型フォーフォーは排気量999ccという小型エンジンをリアに搭載し、ボディもぐっとコンパクト。
とくに全長は3495mmと、軽自動車より10cmほど長いだけで、カーフェリーに乗せるときも軽と同一料金ですむほどだ。ただし車重は1005kgと、1トン切りにわずかに届かなかった。あと5kg軽ければ車検ごとの重量税も安くてすみ、まさに“ミニマルライフ”を気取れたのだろうが。
このスマートフォーフォー、欧州では5速MTで乗られるのに対し、6速DCT(デュアルクラッチ自動変速機)を搭載しているぶん上乗せが発生しているのだが、それを勘案しても209万円から229万円というプライスタグは高価にすぎる。
だが、デザインやカラーは街の中に出すとかなり目立つもので、欧州的なテイストはかなり強い。ファッション重視でみればかなりの“らしさ”だ。ちなみにルノーも来春には同じプラットフォームの「トゥインゴ」を出すそうで、そちらはフォーフォーより安価な価格設定になるという。
●第3位/V40 D4(ボルボ)
ボルボのコンパクトモデル「V40 D4」。V40の日本デビュー自体は2013年と新しくはないが、今夏にディーゼルエンジン搭載グレードD4が追加されたのだ。
最高出力190馬力の新型ディーゼルは日本の自動車部品世界大手デンソーの新世代燃料噴射装置「i-ART」を使って作られているのだが、運転してみるとパワー感、切れ味ともに申し分ないものだった。
V40は昔のボルボのイメージとはまるで異なる俊敏なハンドリングを持っているが、パワフルなディーゼルはその性格に非常によくマッチしていた。8速ATは同じく2リットルディーゼルをラインナップするBMWに比べるとややダルだが、性能的にはこちらも十分だった。ノイズも車外では大きいが、車内は遮音性が上げられていることもあって、とても小さなものであった。
経済性も優れている。筆者は同じエンジンを積んだミドルクラスワゴンの「V60」で東京~鹿児島を往復してみたが、猛暑の中を燃費を気にせず走っても長距離で20km/L弱くらいは走った。
V40はV60より140kg軽いので、実走行燃費をさらに伸ばせる可能性がある。レギュラーガソリンが95オクタンの欧州で作られたモデルの多くは日本の92オクタンガソリンでは走れないので、ガソリンだと必然的にハイオク仕様になる。軽油とハイオクの価格差は場所によっては1リットルあたり40円ほどにも達するので、燃費とのダブルパンチで走行コストは大差がつく。
フォルクスワーゲンの排出ガス不正でディーゼルそのものを忌避するような意見も見受けられるようになったが、不正をせずに排出ガス規制に適合しているのであれば、別に後ろめたさを感じる必要はない。欧州Cセグメントのディーゼルに乗ってみたいという人にはうってつけの1台だろう。