ここでトップ3以外の番外編を紹介しよう。ドイツの部品メーカーのシェフラーとコンチネンタルが共同でフォード「フォーカス」の1リットル3気筒ターボ(125馬力)をマイルドハイブリッド化したテストカーに乗る機会があった。
15kW(22馬力)のモーター兼発電機と48V、10Ahのリチウムイオン電池パックという電動パワーソースの能力はホンダ「CR-Z」のハイブリッドシステムとほぼ同等。それを欧州モードで1kmあたりのCO2排出量117gのフォーカスに実装し、エンジンにほぼ手を加えないまま同95gにまで削減したという。95gといえば、フォーカスより200kg以上軽い1世代前のハイブリッドカー、ホンダ「インサイト」よりも優れた数値なのだ。
この“ポン付け”ハイブリッドをドライブしてみたのだが、そのフィールは予想をはるかに上回る良さだった。
変速機はマニュアルだったが、クラッチがバイワイヤー(リモートコントロール方式)の半自動式で、スロットルを閉じて空走すると自動的にクラッチが切れてエンジンが停止し、フルハイブリッドカーのようにガソリンを使わず、エンジンブレーキもかからないままスーッと走行距離を稼げてしまうのだ。
アクセルやブレーキを踏むと自動的にクラッチがつながり、エンジンがかかるのだが、そのときのショックも皆無に近かった。2016年にはまず欧州でこのシステムを搭載する低コストハイブリッドモデルが出始めるという。車種はまだ発表されていないが、その登場が楽しみだ。
撮影■井元康一郎(ボルボのみ)