ライフ

バーガー、中南米料理、魚食 2016年の食のトレンド大予言

2016年のハンバーガーの本命は国内勢か

 2016年の「食」はなにが来るのか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が予測する。

 * * *
 「食」にまつわるトレンドはめまぐるしく移り変わってきた。何かがブームになってはその多くは情報として消費され、次なる機会を待って長き眠りについてきた。だがいまや国内の「食」で完全に目新しいものなどない。昨年、大ブレイクしたポップコーンも、1986年以来実に28年ぶりのブームで、いまだに人気は続いている。もはや日本の食シーンにおいては、消費され尽くされないだけの底力のあるものしか生き残れない。その傾向は2016年、ますます強くなる。

 まず、すでに種まきがされていて2016年、さらなる伸びが期待できそうなジャンルから。先日2015年の総括でも書いたが、ハンバーガーだ。代官山のHENRY’S BURGERやユーゴ・デノワイエといった新機軸のハンバーガーを提供する店がハンバーガーブームを牽引する。加えてアメリカからの来襲組である、シェイク・シャック、カールス・ジュニアの盛況も間違いないだろう。

 もっとも、2016年のハンバーガーブームの真の本命は、国内勢だ。人形町BROZER’S、北千住サニーダイナー、五反田フランクリン・アベニューなど、東京で評価を確立した名店はもちろん、最近では古都・京都や鎌倉にも専門店が続々登場している。その他の地域でも地場に根づいたバーやカフェなどで、うなるほどうまい本格ハンバーガーに出会えるようになった。

 ハンバーガーの代名詞だった巨大チェーンが店舗展開を縮小するなか、間隙を縫うかのように、専門店、新規外資系、その他のカフェ業態などが独自のハンバーガーを打ち出し始めた。誰もがイメージできるたったひとつの味から脱却し、多様なハンバーガー文化が上書きされる2016年となりそうだ。

 同様に、長く土壌が耕されてきたジャンルに中南米料理がある。こちらもバブル景気終わりごろに「テックスメックス」料理として、一瞬流行りかけたものの大きなトレンドにはなっていなかった。ところがポップコーン同様、中南米料理にも20数年ぶりのうねりが来ている。1980年代後半に一度、日本進出→数年で撤退していたメキシカンファストフード店、タコベルが2015年に東京に再進出。ブラジルのシュラスコ料理を提供するレストランやペルー料理店も人気を博している。

「国民の人数より、牛の頭数のほうが多い」と言われ、その味も高評価を得ているアルゼンチン産牛肉の輸入解禁も噂されるなど、さまざまな角度から中南米料理が盛り上がりを見せている。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト