国内

故笹井芳樹氏の妻 遺書の真意「小保方氏に伝わっていない」

故笹井教授が遺書で伝えたかったこととは

 2014年、世界中を揺るがせたSTAP細胞論文騒動。その論文の筆頭研究者だった小保方晴子氏(32才)の手記『あの日』(講談社)が出版された。この手記について複雑な思いを抱くのは、理化学研究所の元副センター長・笹井芳樹氏(享年52)の妻・A子さんだ。

 笹井氏は小保方氏の上司であり、STAP細胞に関する研究の指導を行っていた。しかし、2014年8月に自殺。まさに、STAP細胞騒動における最悪の悲劇である。愛する家族を失ったA子さんは、小保方氏の手記について女性セブンの取材に応じた。手記そのものは「読みません」としながらも、今の思いを語った──。

 笹井氏は確かに小保方氏のSTAP細胞研究に強い関心をよせた。論文執筆を指導し、2014年1月に科学誌『ネイチャー』に論文が採用された際は、自分のことのように喜んだ。

《この日は笹井先生とタクシーで相乗りして帰宅した。「ついに明日が記者会見だね。この1年、本当によく頑張りました」と笹井先生が声をかけてくれた》(手記『あの日』より。以下、《》内同)
《どんな状況にあってもわたしの「先生」でいてくれた》

 手記でもそう綴っているように、小保方氏と笹井氏の絆は疑う余地のないものだった。

 だが、ふたりの関係は徐々に変わっていった。論文採用の2か月後、STAP細胞論文には「写真の誤用」「コピペ」など、不正が続々と発覚した。

 同年4月9日、小保方氏は会見して論文の不備を涙ながらに詫びたが、「STAP細胞はあります」の言葉通り、研究結果の真実性だけは譲らなかった。

「それは主人も同じでした。一緒に仕事もしてきて、自分でも顕微鏡で見ていましたから。当時は大変な時期だったので、彼女も頭が回らなかったのでしょう。あくまでSTAP現象を表す蛍光発色を確認しただけなのに“200回は出来た”なんて言って、誤解を招きましたよね。でも、主人は言うんです。“発色がある以上、まだ可能性はあるんだ”って。あの頃は小保方さんを信じてあげたいという気持ちが勝っていた」(A子さん)

 翌週には笹井氏も会見し、「STAP細胞だと考えないと説明がつかないデータがある」と小保方氏を擁護した。

 しかし会見後まもなく、彼女のずさんな実験ノートや、早稲田大学大学院時代の博士論文でのコピペ、写真盗用が発覚。ネイチャー論文上でSTAP現象が確認されたとするマウスが現実には違うマウスだったことも明らかになり、笹井氏の心は折れた。

関連記事

トピックス

児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン
水原一平とAさん(球団公式カメラマンのジョン・スーフー氏のInstagramより)
「妻と会えない空白をギャンブルで埋めて…」激太りの水原一平が明かしていた“伴侶への想い” 誘惑の多い刑務所で自らを律する「妻との約束」
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン