国内

汚屋敷を改善 一家の人生そのものが大きく前へ進む例も

 何かとテレビの情報番組等で話題の「ごみ屋敷」や「汚部屋」や「汚屋敷」。部屋が片づけられない原因が、精神疾患の場合もある。よく挙げられるのが、うつ病や統合失調症などの精神疾患、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害などの発達障害だ。

 しかし、専門家はそれだけが原因ではないという。家族問題に詳しい心理カウンセラーである中尾真智子さんは「家が汚屋敷化する要素は、誰でも持っている」と話す。

「社会生活を送ることは、程度の差はあれど、本当の気持ちを封印して生きていかなければなりません。しかし、自分の気持ちを抑えてばかりいると、自分の存在自体を世の中に受け止めてもらえていないのではないかという“存在不安”に陥ります。その不安を意識しなくてすむように、人は無意識にいろいろな解消法を考えるのです」

 ある人はブランド品を集め、ある人はフィギュアをコレクションする。

「ゴミもそれと同じ。いつも目に入れば、そればかり見ることに気をとられて、自分の存在不安そのものには目を向けなくてすむ。それをくり返しているうちに、ゴミがどんどん増え、結果として汚屋敷化してしまうのです」(中尾さん)

 しかし、このままではいけないと本人が気づけば、いくらでも再生は可能とも。親が存在不安を受け止めることで楽になれば、子供も素直に感情を出せるようになる。そうなればこの家族は、もうゴミに頼る必要はない。

 床は足の踏み場もない部屋で4人の子供を育てるIさん(37才・女性)は、自分自身で「変わりたい」と思い、“片づけの伝道師”こと安東英子さんに片づけを依頼してきた。その様子は、『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)で取り上げられ、大きな反響を呼んだ。安東さんは、こうした環境で子供を育てることは「“虐待”といわれても仕方がないと思うのです」とまで言った。

関連キーワード

関連記事

トピックス

父親で精神科医の田村修容疑者(SNSより)
「供述に信用できない部分も…」ススキノ事件・田村修被告に執行猶予判決、求刑懲役10年を大幅に下回ったワケ
NEWSポストセブン
3つの出版社から計4冊の書籍が発売された佳子さま(時事通信フォト)
「眞子さんにメッセージを送られているのでは」佳子さま(30)のワイン系ツイードジャケットに込められた“特別な想い”《お二人の思い出の場でお召しに》
週刊ポスト
再び頂点を掴めるのか(大谷翔平/時事通信フォト)
【MLB開幕・ドジャース連覇への道のり】早々に地区優勝を決めてもポストシーズンでの“ドジャース病”を危惧する声 ワールドシリーズで立ちはだかるのは大型補強のレッドソックスか
週刊ポスト
「W復帰」の可能性も囁かれる(時事通信フォト)
《ダウンタウン“W復帰”の可能性》浜田雅功の休養が松本人志のネット復帰計画に与える影響は?「夏頃にはコンビとしてアクションを起こすのでは」との指摘
週刊ポスト
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵容疑者(62)
【独占入手】女占い師の自殺教唆事件で亡くなった男性の長男が手記「200万円の預金通帳を取り上げられ…」「学費と生活費をストップ」、さらに「突然、親子の縁を切る」 警察に真相解明も求める
NEWSポストセブン
2023年12月に亡くなった八代亜紀さん
《前代未聞のトラブル》八代亜紀さん、発売予定の追悼アルバムの特典に“若い頃に撮影した私的な写真”が封入 重大なプライバシー侵害の可能性
女性セブン
旭琉會二代目会長の襲名盃に独占潜入した。参加者はすべて総長クラス以上の幹部たちだ(撮影/鈴木智彦。以下同)
《親子盃を交わして…》沖縄の指定暴力団・旭琉會「襲名式」に潜入 古い慣習を守る儀式の一部始終、警察キャリアも激高した沖縄ヤクザの暴力性とは
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
《男性2人に自殺教唆》自称占い師・濱田淑恵容疑者が被害者と結んでいた“8000万円豪邸の死因贈与契約” 被害者が購入した白い豪邸の所有権が、容疑者の親族に移っていた
週刊ポスト
キルト展で三浦百恵さんの作品を見入ったことがある紀子さま(写真左/JMPA)
紀子さま、子育てが落ち着いてご自身の時間の使い方も変化 以前よりも増す“手芸熱”キルト展で三浦百恵さんの作品をじっくりと見入ったことも
女性セブン
被害者の「最上あい」こと佐藤愛里さん(左)と、高野健一容疑者の中学時代の卒業アルバム写真
〈リアルな“貢ぎ履歴”と“経済的困窮”〉「8万円弱の給与を即日引き落とし。口座残高が442円に」女性ライバー“最上あい”を刺殺した高野健一容疑者(42)の通帳記録…動機と関連か【高田馬場・刺殺】
NEWSポストセブン
緑の芝生に映えるチームカラーの青を基調としたユニフォーム
《横須賀から全国へ》16年ぶりの名門復活へ歩み始めた日産野球部、伊藤新監督が明かした意気込みとチーム作り「技術の日産ふさわしいチームに」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! マイナ免許証の恐ろしい重大リスクほか
「週刊ポスト」本日発売! マイナ免許証の恐ろしい重大リスクほか
NEWSポストセブン