◆「俺はずっとこうやってきた」
「前例踏襲で仕事を進めるだけになり、変化や挑戦にNOを連発してしまう。これが『NO梗塞』です。
部下や後輩の仕事の進め方に対しても、『お前は間違っている』『俺はずっとこうやってきたんだ』と、NO梗塞の指示を出し続けてしまう。これが管理職であればパワハラになりかねない。オーナー社長も高齢化してくると、ワンマンの度が過ぎるようになりがちですが、背景は同じだと思います」(前出・井上氏)
いつのまにか、陰で“老害”と呼ばれるようになってしまう。人は年齢を重ねると、身体が老いて、柔軟性がなくなり、足腰も弱り、出歩くのが億劫になって、行動範囲も狭まっていく。似たようなことが仕事の場面でも起きるということだ。それを防ぐには、どうすればいいのか。
「身体の衰えを防ぐためにスポーツジムに通い負荷をかけるというのと同じで、自分に対して負荷をかける。従来の人脈にない新しい人とつきあったり、新しい仕事の仕方を試したり、新しい知識を仕入れたりするように、自ら仕向けて行くことが大事です」(同前)
安住の地から抜け出すことが第一歩だ。
※週刊ポスト2016年2月19日号