今“とある運動”が、世界で話題になっている。その名も“FREE THE NIPPLE”。翻訳すれば「乳首解放運動」といったところだろう。
「なぜお尻がいいのに、胸は見せてはいけないの?」
と、かのマドンナが発言。トップモデルのナオミ・キャンベルもトップレスの写真をインスタグラムやツイッターに投稿するなど、そうそうたるアーティストやセレブたちがこの運動に関わっているのだ。
ことの発端は昨年3月、アイスランドの女子学生たちがトップレスの自撮り写真をフェイスブックにアップ。それらがフェイスブックの規定に従って削除されたことを機に、「#freethenipple」というハッシュタグがSNS上で盛り上がり、ニューヨークはじめ全米に拡散したのだとか。
推進派の女性の言い分は、「男性は公共の場で胸を見せることが普通とされているのに、女性の胸は禁止され、タブー視されるのは“男女間の不平等”だ」というもの。
この運動の“追い風”を受けて、アメリカでは「トップレスになる権利の拡大」を求める団体が、トップレスのまま公園でピクニックをしたり、雪遊びをする活動を展開中。ニューヨークのタイムズスクエアでは昨年からトップレス女性が急増し、観光客と記念撮影をするのが日常の風景になっている。
ちなみにアメリカでは、1986年に9人の女性が裸でピクニックを行なって逮捕され、裁判になったのをきっかけに、1992年に女性のトップレスが合法となっている。
それにしても、女性が自ら乳首を見せたがるとは、日本とは大違いである。経済アナリストの森永卓郎氏がいう。
「私は笑福亭鶴光師匠の弟子として、日本で唯一、乳首謎かけというものをやっています。ちなみに最初の作品は“アスパラガスとかけて乳頭と解く”その心は“マヨネーズつけると、おいしく食べられます”……。
でも、世間の乳首への風当たりはとても強く、私の芸はいまテレビやラジオで披露することができません。この乳首解放運動が成功すれば、私も表舞台に立てるかもしれないので、心から応援したい」
森永氏の事情はともかくとして、ほとんどの日本男性は“この運動の成就”を待ち望んでいるのではあるまいか。もちろん、あくまでも「男女平等の実現」のためですよ。
※週刊ポスト2016年2月19日号