ところが最近になって、糖質制限はかえって死亡リスクを高めるとの研究結果も出されてきた。2013年、国立国際医療研究センター研究所の能登洋医師が約27万人のデータを分析した結果、糖質を1日の総摂取エネルギーの30%以下に制限すると、60~70%にした場合に比べて死亡率が31%も上がっていたという。
「糖質制限をしすぎると、血中にケトン体という物質が増えすぎて、血液が酸性に傾き、吐き気や意識障害など体に悪影響を及ぼす可能性があります」(順天堂大学糖尿病内分泌内科の綿田裕孝教授)
炭水化物を我慢する代わりに肉類をお腹いっぱい食べることで、さらなる危険も。
「過度に糖質制限をし、結果的にたんぱく質を摂りすぎると腎機能の悪化を招きます。また、脂肪の中で飽和脂肪酸が過剰になれば、悪玉コレステロールが増えて動脈硬化を招きやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなります」(綿田教授)
「おやじダイエット部」のメンバーは桐山さんが亡くなった原因について、《糖質制限が原因で亡くなったのではなく、心不全・急性心筋梗塞で亡くなったのが、診断書からも明らかです。(中略)長距離の移動と多忙、急激な寒さが重なり、疲労も相当蓄積していたのでは》と「糖質制限ダイエット原因説」をフェイスブックで否定した。
専門家の間でも賛否の分かれる糖質制限の効果。流行りものとして安易に飛びつく前に、リスクがあるかもしれないことを知っておきたい。
※女性セブン2016年3月3日号