スポーツ

美女格闘家RENA 不登校児が「シュートの女王」になるまで

4年間負けなしのRENA

 女性スポーツ選手が活躍すると、往々にして「美女アスリート」という大雑把な括られ方で報じられることがある。競技内容以上に外見がフォーカスされるケースが多いのは、やはり女性ならではの現象といえるだろうか。昨年大晦日の総合格闘技イベント『RIZIN』で、MMA初参戦ながら勝利を収めたRENA(レーナ・24)も「美女格闘家」と呼ばれるようになったが、はたして本人はこの現象をどう捉えているのだろうか。

「う~ん。素直に嬉しいんですけど、別にそう思っていないので(笑)。仮に『かわいいから(試合を)観よう』と思ってくれても嬉しいです。入り口が広いのは良いことですし、結局どう思われるかは、私の試合次第ですからね」

 最近4年間負けなしで“シュートボクシングの女王”と呼ばれる彼女も、子供の頃は家にひきこもりがちな少女だった。学校にも行かず、一日中テレビを見て昼夜逆転生活になっていた小学6年生の時、転機が訪れる。久しぶりに外出した際、ある看板に惹かれた。シュートボクシング日本スーパーフェザー級王者・及川知浩氏が主宰する『及川道場』の募集案内だった。四姉妹の末っ子であるRENAは「お姉ちゃんたちとケンカしても負けるからなあ」という動機で、体験入学することに。その魅力に取り憑かれるまで時間はかからなかった。

「楽しかったですね。先生に『殴ってこい。何してもいいよ』と言われたんですけど、全然当たらない。悔しかったですね。でも、少しカスると嬉しくて。そのひとつひとつの積み重ねで、ハマっていきました」

 道場に入ったことで殻も破れ、学校にも少しずつ通い出すようになる。夢中になれるものを見つけ、人生が変わっていった。

「中学生の時に『遊びたいな』と思いましたけど、辞めたいという気は起こらなかったですね。ジムが好きでしたし、私にはこれしかないと思っていた」

 及川知浩氏のチャンピオンベルトに憧れ、16歳でデビュー。順風満帆なキャリアを歩んできたように見える彼女も、真剣に引退を考えた時期があった。相手に明らかに有利と思えるマッチメイクに不信感を持ったことが原因だったという。

「う~ん……。ちょっと言いづらいですけど、本気で辞めたいと思いました。でも、格闘技界の友達や先輩などいろんな人が会いに来てくれて、『このまま辞めていいの?』『後悔しない?』と毎日言われて……。みんながそう言ってくれるから、ここで辞めちゃダメだな、と」

 苦難の時期を乗り越え、シュートボクシング界で無敵の女王となった彼女は昨年大晦日の『RIZIN』に挑戦。発表記者会見では「飛びつき腕十字で勝ちたい」と宣言し、その通りにイタリアの強豪キックボクサーであるイリアーナ・ヴァレンティーノを倒した。試合前に技を公言することに抵抗はなかったのか。

「あんまり何も考えてなかったですね。言っちゃえ、みたいな(笑い)。練習もシュートボクシングと総合格闘技では全然違うし、初めてのことだらけなので楽しかったです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト