相撲部屋の名物料理として知られる「ちゃんこ」は、食事当番を“ちゃん”と呼んでいたとか、大型の中華鍋を“チャンコ”といったなど語源は諸説ある。力士が作る料理はすべてちゃんこと呼ばれるが、その主役は「鍋」だけではない。
東関部屋(東京都墨田区)は、初の外国人関取の高見山が部屋を興し、現在は愛弟子の潮丸が継承。人気力士だった高見盛が部屋付の振分親方として後進を指導している。
その東関部屋で作られるちゃんこを見てみよう。
来日直後は鍋を苦手にしていた先代親方が弟子たちの食が進むよう副菜を充実させた。ある日のメニューは、チキンカツ、目玉焼き、鶏塩焼き、麻婆豆腐、佃煮、ザーサイ、サラダといった具合。取材日も副菜は超豪華でメインのソップ炊き(鶏ガラスープの醤油鍋)が霞むほど。
松本権二マネージャー(元・心勇)がちゃんこ長として伝統の味を守る。「白飯が1日70合はなくなりますね(笑い)」(東関親方)
撮影■中庭愉生
※週刊ポスト2016年3月18日号