国際情報

米大統領選「史上初の幼稚さ」「行く末真っ暗」と落合信彦氏

米大統領選は中傷合戦ばかり(D・トランプ氏) AP/AFLO

 プーチンや金正恩の暴走によって「2016年のいま、世界は戦争の危機に陥っている」とジャーナリストの落合信彦氏は指摘する。だが、それを抑制する存在であるはずのアメリカのリーダーシップは欠如している。落合氏は今まさに山場を迎えているアメリカ大統領選挙の候補者たちにも、「真のリーダー」はまったく見当たらないと語る。

 * * *
 オバマのリーダーシップのなさが金正恩の暴走を許していることはたびたび指摘しているが、オバマ後のアメリカを担う大統領候補の顔ぶれを見ると、これまた絶望的な気分になる。

 候補者の公開討論会を見ていると、単なる誹謗中傷の応酬だ。低レベルにもほどがある。
 
 その代表格は、共和党の“暴言王”ドナルド・トランプだ。2月の討論会では、ライバルの上院議員テッド・クルーズに対し、「最大のうそつき」呼ばわり。元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュには、兄のジョージ・ブッシュが始めたイラク戦争を「とんでもない間違いだ」と罵った。
 
 言われたジェブ・ブッシュも同レベルで、「トランプ氏がテレビ番組を制作している間、私の兄は安全を守るための仕組みを作った」と言い返した。するとトランプは「ワールド・トレード・センタービルが崩れ落ちたのは、お前の兄の任期中だ。それを忘れるな!」と反撃した。
 
 司会者が場を落ち着かせようとしても、候補者たちはそれを遮ってお互いを非難するばかりだった。金正恩が核実験やミサイル発射といった「悪ガキの火遊び」をしている間、アメリカでは「ガキのケンカ」をしているだけなのだ(サウスカロライナの予備選が終わった時、ジェブ・ブッシュは選挙戦から降りてしまった)。
 
 トランプが演説会を開くと多くの共和党支持者が集まる。が、子連れの女性たちは、トランプの言葉が汚すぎて子供に聞かせたくないから、帰ってしまうという。
 
 民主党も低レベルだ。ヒラリー・クリントンは、上院議員のバーニー・サンダースをこう批判した。
 
「サンダース氏は、オバマ大統領のことを『弱腰』『期待外れ』といったが、まるで共和党のような批判だ! それでもオバマ大統領の職務を継ごうという人の発言か」
 
 対するサンダースは、「(2008年の大統領選の際、クリントンと違い)私は、オバマ氏を敵として大統領選に出たことはない」と反論した。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
雅子さまは免許証の更新を続けられてきたという(5月、栃木県。写真/JMPA)
【天皇ご一家のご静養】雅子さま、30年以上前の外務省時代に購入された愛車「カローラII」に天皇陛下と愛子さまを乗せてドライブ 普段は皇居内で管理
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン