いずれにせよ、スマホゲームなどに押されて家庭用ゲーム機のライフサイクルがますます早まる中、任天堂の業績は苦戦を強いられている。2016年3月期の決算では純利益6割減(170億円)を見込むほど、高収益体質を維持するのが難しい時代となった。
だが、前出の安田氏はこんな期待を寄せる。
「スプラトゥーンのヒットもそうですし、業務提携を結んだDeNAと共同開発したスマホ用アプリの『Miitomo(ミートモ)』が、3月17日の配信開始からわずか3日でユーザー数が100万人を突破したことをみても、任天堂ブランドに対するユーザーの関心は根強いままです。
これらの良い流れをNXの販売に繋げることができたら、再び家庭用ゲーム機市場も盛り上がってくると思います」
“任天堂の顔”として知られた岩田聡前社長の急逝に伴い、昨年9月から社長に就任した君島達己氏は、元銀行マンという経歴もあり「堅実経営」のイメージが強い。莫大な投資が必要なゲーム業界で、新体制はどこまで“売れるゲーム”に賭けることができるのか――。任天堂の未来を占う意味でも、NXの発表が待たれるところだ。