芸能

天然・DJ KOOを翻弄した小室哲哉の「アメとムチ」

DJ KOOが語る小室哲哉の知られざるエピソード

 CDが最も売れた1990年代にオリコンランキングでトップ5を独占するなど、音楽シーンを席巻した「小室ファミリー」。“天才”“時代の寵児”などと称され、取っつきにくい印象もあったプロデューサー・小室哲哉の意外な一面を、DJ KOOが著書『EZ DO LIFE!』で明かしている。DJ KOO本人が語る。

「人気絶頂期は2年間ほど全く休みがなく、小室さんとボクは連日、スタジオで朝方まで仕事。小室さんはマイカー通勤でしたが、いつも『KOOちゃん、一緒に帰ろうよ』と、助手席にボクを乗せて送ってくれた。ただ、小室さんは車内でずっと無言で、緊張してボクも何もしゃべれず、沈黙が続くツラい時間でもありましたが……」

 その頃、新幹線のグリーン車や飛行機のファーストクラスを貸し切ったり、世界中に豪華な別荘を持ったりと、数々の豪快伝説が報じられた小室。一方、後にTRFリーダーに抜擢されるKOOだが、もともと小室ファミリーがブレイクする前から小室の「付き人」として雑用をこなす関係だった。

「最初は小室さんも『何でこいつ、ずっとオレのそばにいるんだろ?』と不可解に思っていたでしょうね(笑)。次第に仕事を任されるようになったのですが、たいてい『好きにやって』と具体的な指示はなし。海外のスタジオで初めて英語のラップを収録した時もその場におらず、不安で押し潰されそうになりながらも腹をくくって挑んだことを覚えています」

 デビュー直後、DJ KOOは突然、髪型を当時の日本では珍しいドレッドヘアにし、関係者に衝撃を与えている。ドレッドヘアを施術できる美容院を自ら探し歩き、作業は2日間かかった。費用の25万円も自腹。イギリスのバンドの写真を見た小室が「KOOちゃん、こういうふうにしなよ」と何気なく言ったことがきっかけだったという。

「『やってきましたっ!』と会いに行くと、『ホントにやっちゃったの?』と目を丸くしていたので、半分冗談だったのかも。小室さんと長い間、仕事をしてきて得たKOO(教)訓は、『信頼にまさる財産はない』ってこと。たった一人でも誰かを信頼したところから、人生は大きく動き始めるものだと思います」

◆DJ KOO(ディージェイ・コー):1961年生まれ、東京都出身。数々の人気ディスコでDJを務め、日本初のノンストップ・ミックスCDなどを手がける。1993年、小室哲哉プロデュースの「TRF」活動開始。『EZ DO DANCE』『survival dAnce ~no no cry more~』『Overnight Sensation』などが次々と大ヒットし、CD総売上は2170万枚超。初の著書『EZ DO LIFE!』は、『王様のブランチ』の「文芸書ランキングTOP10」入りするなど話題沸騰中。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン