この10年で各社の開発競争が激化し、文房具が進化し続けている。老舗文具メーカー・ゼブラがたどりついたのは――「芯が折れないシャーペン」と「水拭きで消えるマッキー」だ。これらが新発想で売れている。
人気もあり、芯が折れないシャーペン・『デルガード』(486円)はさまざま展開。芯は0.5mmに加え、0.7mmと0.3mmも登場。軸の色は各6色。
さらに、驚くのは水拭きで消えるマッキー(194円)。特殊な水性インクで、プラスチックなどつるつるした素材に書くと、水拭きで消せる。収納ケースやクリアファイルなどに書いて、消して…を繰り返せるのだ。ちなみに、極細タイプもあり、162円。共に8色展開。
2008年、三菱鉛筆が芯の先が尖り続けるシャープペン『クルトガ』を開発。これが爆発的ヒットとなり、高機能文具の先駆けとなった。ゼブラで開発を手掛けた小野陽祐さんは語る。
「何としても三菱鉛筆の『クルトガ』を超える1本を作りたい。そのためには、“折れにくい”ではダメ。何をやっても絶対“折れない”ものにしなければ…」。
しかし、細く繊細な芯は、斜めの力が加わるとすぐに折れてしまう。約5年かけて60以上の試作を続けた。「強い力がかかると、ペン先から金属のガード部分が飛び出し、芯を守る構造を採用しました」。
2014年に発売すると、芯が折れない様子を撮影した動画がネット上に投稿されて反響を呼び、1年間で約400万本を売り上げた。
水拭きで消せるマッキーという新発想の商品とあわせて2商品が、同社40年ぶりのヒット作となり、日本文具大賞を受賞した。使ってみると、確かに折れない。つるつるした面に書いて消せる…。こりゃスゴイ。
※女性セブン2016年4月14日号