「資産の金額は現役世代なら年齢に比例して上がっていきます。資産が500万円未満の割合は20代では88%、30代では69%、50代では49%と減り、逆に5000万円以上は20代では0.2%、50代では7%、60代以上では12~14%に増えている。しかし、退職以降に資産を増やせるのは、不動産収入や有価証券などを持つ一部の富裕層だけでしょう。60代で資産格差はほとんど固定されてしまうのです」(三浦氏)
60代になってからの逆転はほぼ不可能なのである。その証拠に、年齢を追うごとに減り続けてきた「500万円未満」の割合は、70代で28%、80代で26%とほとんど変動が見られなくなる。
では一方で上流から中流、中流から下流への転落はどうかというと、データ上はこの変動もほとんどない。つまり、60代の時点で決まる「上流」「中流」「下流」のカテゴリーは、ほとんどが死ぬまで続くことになるのである。
※週刊ポスト2016年4月15日号