ライフ

巨大地震発生 電車内ではどこに乗り、どう動けば安全か

電車内ではどこに乗り、どう動けば安全か

 連日テレビや新聞で報じられる熊本地震の被害状況に、「明日は我が身か」と身構えている人も少なくないだろう。同じ規模の地震がもしも大都市で起こったら、さらなる大惨事となることは間違いない。

 2013年12月に国の有識者会議が発表した被害想定によれば、首都直下型地震による死者数は、最悪の場合約2万人、建物全壊・焼失棟数は約61万棟に上るという。首都直下型の大地震が起きたとき、様々な状況下において我々はいったいどんな行動をとればいいのか。「究極の二択」があなたの生死を分ける──。

【電車は先頭に乗るか、後方に乗るか】

 これは「地震が起きた時に、どちらに乗っているほうが安全か」という話だが、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は、

「基本的には先頭車両が最もリスクが高い。過去の衝突・脱線事故の死傷者のほとんどは先頭車両と2番目の車両に乗っていました」

 と語る。そのため、電車に乗る時は必ず3両目以降に乗るようにしていると和田氏はいう。ただし、脱出しやすさの観点では、話は別だ。都市防災に詳しい、まちづくり計画研究所所長の渡辺実氏がいう。

「地下鉄は最前部と最後部の車両に脱出ハッチがある。それを早く使えるのは先頭か後ろの車両です」

【満員電車ではドア近くに立つか、奥に立つか】

 ドア付近のほうが危険なイメージがあるが、和田氏は「中央のほうが危ない」と断言する。

「満員電車の中央にいると、電車が急停止した時に前方向に流されて将棋倒しになり、圧死する危険性がある。一方、ドア付近なら、座席の脇に隠れる格好になり、衝撃を受けにくいというデータがあります」

【地下鉄では、車内にとどまるか、外に出るか】

 地震で地下鉄がストップしたら、怖くて車両の外に避難したくなりそうだが、「基本的に出ないほうがいい」と和田氏はいう。

「地下鉄にはすべて非常電源が入っています。一時的に停電で停止しても、脱線しない限りは駅まで移動してドアが開くようになっている。逆に人が車外に出ると車両が動かせなくなってしまいます」

 慌てて車両の外に出ると、他の乗客に多大な迷惑をかけることになるのだ。しかも、丸ノ内線などでは線路近くに高圧電流が流れているので、感電死する危険性もある。電車が最寄りの駅に着くまで、車内でじっとしていよう。

※週刊ポスト2016年5月6・13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

およそ揉め事を起こしそうにない普通の人たちがカスハラの主役になっている(写真提供/イメージマート)
《”店員なんて赤の他人”的な行為が横行》条例施行から2か月、減らないカスハラの実態 都内のコンビニ店員が告白「現役世代のサラリーマンが…」品出し中に激突、年齢確認にブチ切れ、箸に”要らねえよ”
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン