降圧剤の服用後、「頭がぼーっとする」、「気分が下がる」といった副作用を経験した人もいるだろう。これは「血液サラサラ」のケースと同じで、血が足りていないにもかかわらず、降圧剤で血管を拡張させ流れやすくした結果、血が細部にまで回らず、特に脳内の血液が不足したことで起きているという。
「ただし、服用中の人が急に薬をやめるのは危険です。医師や薬剤師に相談してください」(堀江氏)
糖尿病の予防や治療にも、血流は大きく関係している。イシハラクリニック院長の石原結實氏が言う。
「体内のあらゆる臓器は、血液が運ぶ酸素や栄養素によって機能しています。血流が良くなればより多くの栄養が運ばれ、臓器の働きは良くなります。膵臓が活性化することで、インスリンの分泌量が増え、血糖値の改善に繋がる可能性はあります」
動脈硬化の予防改善には、血流だけでなく、血液の質も大きく関係してくる。石原氏が続ける。
「血管の一番内側にある内皮細胞から分泌されるウロキナーゼという物質には血栓を溶かす作用があり、動脈硬化を防ぎます。質の良い血液が全身に流れれば、動脈硬化は改善されるでしょう」
※週刊ポスト2016年5月6・13日号