また、引っ越しや新生活などに伴い、まとめ買いを考えているような人は量販店にとって大事な“上客”。大幅割引も含めた手厚いサービス体制を整えている。
「ヤマダ電機の『コンシェルジュ』、ビックカメラの『まとめ買いカウンター』、ヨドバシカメラの『ヨドバシカメラコンシェルジェ』など、それぞれにまとめ買い専用のスタッフを用意しており、予算や好みに合わせてトータルで買い物をサポートしてくれます」(前出・安蔵氏)
価格のみならず、量販店にはネット通販にはないメリットも存在する。そのひとつが「商品保証」だ。家電製品の多くは1年間のメーカー保証しかついていないため、長期間安心して使いたい場合は家電量販店が提供する「長期保証」への加入が必要になる。基本的には有料だが、金額や保証内容は店によって異なる。
「ヤマダ電機の『家電保(家電総合保証)』は、購入金額1万円(税別)以上で加入でき、1万円以上3万円未満は1000円で保証期間3年間(メーカー保証込み)、3万円以上は購入代金の5%で5年間(同)の保証が受けられます。1回あたりの修理代は購入金額まで保証し、これを超える場合は代替品を提供して契約が終了する仕組みです。
ヨドバシカメラも1万円以上の買い物で長期保証が受けられますが、保証金額は購入後の年数によって減っていきます。1年未満は100%、1年以上2年未満は80%、以降1年ごとに10%減り、期間中1回のみ保証するのに対し、ビックカメラ(1万3800円以上の商品で加入可)は一部商品を除き5年間を通して100%保証、修理回数も無制限となっています」(安蔵氏)
購入時のポイント分で長期保証に入っておけば、買い替えサイクルより早く壊れたときにも、余計な出費を覚悟しなくてよい。
そして、特に大物家電を購入した際に気になるのが、配送料負担や返品交換について。これらはネット通販の場合、まず融通が利かないと考えたほうがいい。
「洗濯機や冷蔵庫などの大型家電を購入する場合、設置場所や搬入経路(玄関や廊下など)を通るかどうかをしっかりと確認しておかなければなりません。ネット通販で買って搬入・設置ができないとなると、往復の配送料や手数料などを取られてしまうこともあります。
その点、量販店で購入する場合は若干有利です。もちろん事前に計測しておくのはもちろんですが、搬入・設置できずに返品交換する際にも、うまく取り図ってくれることがあります。こういうときにこそ、自宅近くの量販店で購入するという習慣が活きてくるのです」(安蔵氏)
コストパフォーマンスを考えて激安のネット通販を利用するのもいいが、少しでも長く安心して使い続けられる商品を購入したい人にとっては、やはり家電量販店の利便性は高い。賢く買い物をするためには、商品価格以外のさまざまな割安サービスも熟知しておきたいところだ。