では、もし緑内障になった場合はどんな治療を行なうことになるのか。日本緑内障学会評議員で東中野とみどころ眼科院長の富所敦男氏はこう語る。
「視神経が減ってしまう確実な原因はまだ分かっていませんが、欧米の大規模調査などで、眼圧を下げることで緑内障の進行が抑制されるということが確認されているので、眼圧を下げるための治療を行ないます」
通常は目薬が処方されるのが一般的。目薬では効果が十分に感じられない場合は、レーザー治療や手術が行なわれる。最近では副作用のリスクに配慮した手術も登場しているという。しかし、前出・平松氏はこう指摘する。
「それでも患者さんの治療に対する満足度は低いのが現実。何故なら、視野が元に戻るわけではないからです。それほど老後の人生で、見えなくなることは辛い。だからこそ、早期発見が重要なんです」
後悔する前に眼科に足を運んでほしい。
※週刊ポスト2016年5月20日号