国際情報

中国で新ネット規制実現か 海外で活躍する人のチャンス減る

中国ではネット規制が進む(写真:アフロ)

 中国のネット上では、中国共産党に批判的な言葉はNGワードとされ、書き込めばたちまち削除、検索することもできない。いったい中国では何が起きているのか。中国出身の漫画家・孫向文氏が解説する。

 * * *
 いま中国では「新ネット規制法案」が議論されている。これまでは、中国国家主席や共産党についてネガティブな情報が掲載され得るサイトを「ブラックリスト」として遮断していた。

 グーグルやフェイスブック、ツイッターにはアクセスできない。「新ネット規制法案」では、中国当局が許可したサイトのみが中国国内から閲覧可能になり、それ以外の海外サイトはすべて遮断される「ホワイトリスト」方式になるという。

 当局が検閲してNGワードを削除する、これまでの「モグラ叩き」方式では手に負えなくなったことの証左だろう。

 習近平は毛沢東時代と同じような厳格な情報統制を敷こうとしているが、いまは当時と違いネットがある。

 瞬時に多くの人が情報を共有できることや、どんなに規制しても抜け道があることを「趙王回車」の習氏は知らないのだろう。だから「ネットは規制してしまえ」という論法になるのだ。

 私はネットのおかげで日本に来るきっかけを掴み、自分の描きたい漫画を描けるようになった。もし新ネット規制が実現すれば、中国は「ネット鎖国」の状態になる。

 才能のある人が海外に行って活躍するチャンスが減るばかりでなく、国内で海外と仕事を共にする機会も激減する。それでもネット規制を強めるのは、国民の将来を犠牲にしてでも習近平政権を死守しなければならない、という身勝手な理屈によるものだ。

●そん・こうぶん/中国浙江省杭州市出身の32歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。2013年来日。現在、月刊漫画誌『本当にあった愉快な話』(竹書房刊)にて「日本に潜む!! 中国の危ない話」を連載中。著書に『中国のヤバい正体』、『中国のもっとヤバい正体』(いずれも大洋図書刊)などがある。

※SAPIO2016年6月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

28年ぶりの再会したCHA-CHA(撮影/小澤正朗)
【独占告白】あのCHA-CHAが帰ってきた!28年ぶりの再会ショット公開、発起人が語る「今のCHA-CHAを見せたい」理由と再始動への熱き思い
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
阿部監督
岡本の負傷、坂本の起用、秋広のトレード…巨人が貯金ゼロで4位転落の緊急事態に大物OB・広岡達朗氏が苦言「1年目の阿部はよくやっていたが、だんだんダメになっている」
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
《TBS夜の顔・山本恵里伽アナが真剣交際》同棲パートナーは“料理人経験あり”の広報マン「とても大切な存在です」「家事全般、分担しながらやっています」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン
西内まりやがSNSで芸能界引退を発表した(Aflo)
《西内まりやが芸能界引退へ》「自分らしい人生を見つけていきたい」理由のひとつに「今年になって身内がトラブルを起こしていることが発覚」【自身のインスタで発表】
NEWSポストセブン
出演しているCMの画像や動画が続々と削除されている永野芽郁
《“二の矢”で一気に加速》永野芽郁、止まらない“CM削除ドミノ”  旬の著名人起用で“チャレンジ”続けてきたサントリーからも消えた 永野にとっても大きな痛手に
NEWSポストセブン
真剣交際が報じられた犬飼貴丈と指原莉乃(SNSより)
《仮面ライダー俳優・犬飼貴丈と真剣交際》“芸能界の財テク王”指原莉乃の「欲しいもの全部買ってあげる」恋愛観、私服は6万超え高級Tシャツ
NEWSポストセブン
母の日に家族写真を公開した大谷翔平(写真/共同通信社)
《長女誕生から1か月》大谷翔平夫人・真美子さん、“伝説の家政婦”タサン志麻さんの食事・育児メソッドに傾倒 長女のお披露目は夏のオールスターゲームか 
女性セブン
奥本美穂容疑者(32)の知られざる”アイドル時代”とは──(本人SNSより)
《フリフリのセーラー服姿》覚せい剤で逮捕の美人共犯者・奥本美穂容疑者(32)の知られざる“病み系アイドル時代”【レーサム元会長とホテルで違法薬物所持の疑い】
NEWSポストセブン