国内

「野党統一候補」戦術 前回衆院選なら自民党は53議席減

楽勝ムードは一転か

 自公にとって楽勝ムードだったはずの参院選が、一転して緊迫感に包まれている。共産党の支持率が急上昇しているというデータに、自公が過剰なまでの危機感を覚えているのだ。

 共産党は今回の参院選で戦略の大転換を行なった。「国民連合政府」構想を打ち出して全選挙区に候補を立てる従来のやり方を捨て、32の1人区で候補者を降ろし、民進党候補を中心に「野党統一候補」に一本化したことだ。

 いかに組織力があっても、参院の1人区で共産党候補が当選する可能性はほとんどない。そのため、自民党にとって全選挙区に独自候補を立てて反自民党票を分裂させてくれるこれまでの共産党は強敵ではなく、敵の敵、すなわち“自民党の補完勢力”の役割を果たしていたから、怖れる存在というよりありがたい存在だった。

 しかし、この方針転換によって共産党は野党連合の強力な選挙マシンとなり、初めて自民党の現実的な脅威として立ち塞がった。衝撃的なデータがある。

 自民党が291議席と大勝した前回総選挙(2014年)でも共産党はほとんどの小選挙区に独自候補を擁立し、当選したのは沖縄1区だけだった。だが、得票は大阪3区で約6万4000票を得たのをはじめ、都市部の小選挙区では軒並み3万票以上を獲得、全国で704万票(小選挙区)を得ている。

 本誌は前回総選挙のデータをもとに、参院選のように共産党が候補者を降ろして民進党候補(旧民主党と旧維新の党)の候補に票を一本化していた場合、議席がどう違ったかをシミュレーションした。

 結果は、54選挙区で与野党の得票が逆転、自民党は53議席減の238議席と過半数を割り込んだ(公明党は1議席減)。その他に、自民党と民進党候補の得票差が5000票未満で風次第で自民が負けかねない接戦区が17もある。

「創価学会800万票」ともいわれる公明党・創価学会との“最強タッグ”を組んで大勝した自民党が、不人気で支持率が低い民進党に共産票が乗っただけで敗北していたという数字である。

関連キーワード

トピックス

氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
《大谷は誰が演じる?》水原一平事件ドラマ化構想で注目されるキャスティング「日本人俳優は受けない」事情
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
パリ五輪への出場意思を明言した大坂なおみ(時事通信フォト)
【パリ五輪出場に意欲】産休ブランクから復帰の大坂なおみ、米国での「有給育休制度の導入」を訴える活動で幼子を持つ親の希望に
週刊ポスト