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過去18年間の介護殺人 全体の72%は少数派の男性が加害者

悲惨な介護殺人の加害者は?(イメージ)

 昨年11月21日、埼玉県深谷市を流れる利根川で、両親の面倒を見ていた三女(47)が一家心中を図った“利根川事件”が起きた。ここ数年の間に「介護殺人」は頻発している。日本福祉大学の湯原悦子・准教授(司法福祉論)の調査によれば、過去18年間(1998~2015年)に起きた被害者が60歳以上の介護殺人事件は実に716件もある。今年に入ってからも15件が発生しているという。

 また、この調査では「男性が女性を殺すケースが多い」ことも明らかになっている。716件のうち殺害者が男性(夫や息子など)だったのが512件で全体の72%を占め、女性は194件で27%にすぎなかった(残る10件は複数犯など)。厚労省の調査によれば、在宅介護の担い手の7割は女性だから、少数派の男性が加害者になるケースが多いことになる。

 さらに716件の内訳を見ると、夫婦間の介護殺人333件のうち、夫が加害者だったケースは240件(72%)で、妻が加害者だったのは93件(28%)にすぎない。

「男性は介護のことで困っていても、周囲に家庭内の悩みを相談する習慣がありませんし、人に頼るという発想も出にくい。介護の負担や経済的な悩みをひとりで抱え込んで、孤立してしまいやすいのです」(湯原氏)

 親子間での介護殺人でも男性が加害者であるケースが多い。介護殺人は日本の構造的な問題なのかもしれない。

※週刊ポスト2016年7月15日号

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