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169cm・坂本龍馬の右手を懐に入れた写真に「胃潰瘍だから」説

右手を懐に入れていた理由は?

 小学校の頃に学んだ歴史の教科書により、我々は偉人の顔を想像することはできるが、身長や体重については想像もしようがない。しかし、『日本史有名人の身体測定』(KADOKAWA)の著者で、歴史小説家でありながら現役の整形外科医でもある篠田達明氏は、肖像画や衣服、甲冑、書物などから偉人の体型を推定している。歴史上の偉人たちは、どんな体型だったのか。

 時代が幕末を迎えると、現代でも考えられない超巨体が現れる。見世物力士として活躍した大空武左衛門だ。なんと身長236cm、体重131kgと、日本人離れしている。

「画家の渡辺崋山が身体測定に基づいて等身大像を描いた。脳下垂体前葉から分泌される成長ホルモンが過剰となって起きる下垂体性巨人症だった疑いが強い。典型的な症例として医学書にも載ったほどです」(篠田氏)

 幕末の英雄・坂本龍馬は写真が残されており、そこから169cm、66kgと推定。

「写真の龍馬は右手を懐に入れています。ピストルを所持していたという説もありますが、私は胃潰瘍だったのではないかとみています。ナポレオンも胃潰瘍で、いつも腹を擦っていた。龍馬もナポレオン同様、胃を痛めていた可能性が高い」(同上)

 東京・上野公園に銅像が飾られている維新志士の西郷隆盛はイメージ通り、推定180cm、110kgという巨体である。

「ただし、あれは別人だという説もある。西郷の妻が銅像除幕式で『うちの人はあげな顔ではなか!』と叫んだという逸話もある。ただ、奄美大島に流された際、風土病であるフィラリア症にかかり陰嚢水腫という睾丸が膨れ上がる病気になったことは史実です」(同上)

※週刊ポスト2016年7月22・29日号

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