ライフ

アニメ『世界征服』めぐる喫煙論争 なぜ平行線なのか

『世界征服 ~謀略のズヴィズダー~』公式HPより

 SNS、とくにTwitterはなにかと論争が起きやすい。7月半ば、あるアニメの一場面を添付した投稿がきっかけで、嫌煙と喫煙の両派から数多くの意見が噴出した。

 この経緯がまとめサイトに引用されたこともあり、1万近くRTされた元ツイートが消去されたあとも関連発言が続いている。それらをみると、両派の間で議論が成立しているとは言い難い。嫌煙と喫煙の二派はなぜ、平行線をたどる言葉を出し続けるのか。

 嫌煙と喫煙が平行線をたどるのは、お互いの着眼点が異なることを無視した発言が大勢を占めているからだ。

 元つぶやきにあった問題の動画は、TVアニメ『世界征服 ~謀略のズヴィズダー~』第3話の一場面から。国際的秘密結社ズヴィズダーが、日常の些末なことから時代を変革するような大きな出来事まで、世界征服に向けて歩みを進める物語で、一話ごとに「自衛隊の戦車隊」「晩飯」「古代文明」などを征服してゆく。第3話では「喫煙者」が征服の対象だ。

「マナーの無い喫煙者へ」というテキストが添えられたつぶやきに添えられていた動画は、ヒロインが中華料理店で食事を口に運ぼうとした瞬間、隣席の中年男性が「一服、よろしいですかな?」と煙草に火をつけようとしたところから始まる。幼い見た目のヒロインが「いいわけないだろうが」と激しい口調で責めたて、「お前の一時の気休めのために毒ガスを吸わされる、ここのすべての人間は寿命を縮められる」と激しく罵っている。

 これに強く反応したのはまず喫煙派。

「灰皿が置いてある店ですよね? マナーの悪い嫌煙者への間違いでは?」
「おっさんは一服していいかって聞いているから非は無い」
「これでマナーないって言ってんならどうしろと」

 など、マナーを守って食後の一服を楽しもうとするおじさんを擁護し、激しく責めるヒロインのような嫌煙者のほうがおかしいと訴える。

 それに対し、嫌煙者からはヒロインの嫌煙に賛同する発言も相次いでいる。

「理屈なんていらない。くさい」
「日本は食事処での喫煙は禁止にすべき」
「タバコを完全に規制するまで嫌煙、喫煙は分かり合えない」

 喫煙可能な中華料理屋でのワンシーンだが、喫煙者は普段から無神経すぎる、嫌煙者がいる空間でいっさい喫煙しないでほしいといった激しい主張も目立つ。

 同じつぶやきへ寄せた言葉なのに、ここでは喫煙者と嫌煙者の発言はまったく噛みあわない。そもそも、ひたすら平行線をたどるこの様子は、この一場面を切り取られたアニメの第3話全体で滑稽な戦いとして表現されている。

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン