「東京サマーランド」の満員電車のように混み合ったプールの中で、突如起きた切り付け事件。1日で9人が負傷した夏休みの大惨事で問題視されたのが、危険を知らせるアナウンスがなかったこと。翻って各施設では私たちの知らない数多くの隠語が。いつも聞き流しているアナウンスに、“生きるヒント”があるかもしれない。
都内のアミューズメントパークに勤める50代女性はこう話す。
「サマーランドの事件は他人事と思えず、とても怖かったですね。ただ、事件が起きた時、犯人が野放しになっていて何の連絡もないというのは首をひねります。うちは、館内放送とインカムで対応しています」
飲食店がたくさん入っていることもあり、いちばん怖いのは火事だという。
「火事の時だけは全館で隠語を使ったアナウンスが流れます。“大田区矢口からお越しの中村様、○○までお越しください”というと、その○○で火事が起きているということ。普段、呼び出しの場合は区までしか言わないので、“矢口”という地名が流れた瞬間、従業員同士で緊張が走ります」(前出の女性)
また、こういった施設で多発する子供客のおもらしは「045」、嘔吐は「010」と表現し、インカムで連絡しあうそう。
大手家電量販店では、数字が隠語になっている。
「9階で10番が出ました。各フロア対応をお願いします」
という場合の「10番」とは万引きのこと。その他値切り対応は4番、雨が降った時は300番、商品補充は150番、混雑時は13番…など無数に隠語がある。
「売り上げが足りないというのが、99番。99番のアナウンスが流れると“みんな売らなきゃ!”と思って焦り出します。だから99番の放送の直後に値切り交渉を持ちかけられたら、いつもより値下げに応じやすくなるかもしれません(苦笑)」(家電量販店勤務の30代男性)
ちなみに7番は「社長が来た」で、従業員はみな商品を綺麗に並べ直したり、急に大きな声ではきはき接客をし始めたりするそう。なので、商品選びに悩んでいる時は、いつもより丁寧に対応してもらえるかも!?
※女性セブン2016年9月22日号