食べログは月間6400万人が利用する日本最大のグルメサイトだが、★(星)の数が意図的に操作されているのではないかとの疑念から運営会社カカクコムの株が急落する大騒動に発展した。一方で、食べログに膨大な情報が蓄積されているのも事実。食のプロたちを取材すると、彼らは上手にそれを活用していた。
◆ 同じ★の数で迷ったときの店の選び方
食べログで地域や最寄り駅を指定して店を検索したとき、最初に画面に表示される店舗は要注意だという。
「検索すると初めに出てくる『標準』という区分の画面では、食べログ側に料金を払って優先的に表示してもらうプランに加入している店舗が上位に掲載されています。また、食べログにはオンライン予約のシステムがありますが、店側が導入するメリットとして、検索数が多くなるお昼前、夕方などの時間帯に、画面の上のほうに表示してもらえるようになる。
そういう店は目につきやすいので、評価が高いと勘違いされやすいのですが、実は違います。だから私は、同じ点数なら、有料プランも予約システムも使っていない店のほうを選びます」(フードジャーナリスト・はんつ遠藤氏)
◆ ★の数より口コミ数
「たとえば同じ★3.2でも、口コミが5件の店と100件の店では、世の中の評価は異なることが多い。口コミ数が多いのは来客数が多いことの証です。それはつまり、一握りのヘビーユーザー以外の大衆の視点が入っているということ。“大衆受けしている=人気店である〟ともいえます」(フードジャーナリスト・松浦達也氏)
食べログ初心者は、まずは口コミ数を見る習慣を身につけるべきだという。
◆ 最近、更新が少ない店は要注意
口コミ数は多くても、新しい書き込みが少ない店には気をつけた方がいい。
「★の数も口コミ数も同じレベルなら、僕は新しい口コミが多い店を優先します。2か月も3か月も新規投稿がない店は“最近はあまり人気がないのかも”と判断できるからです」(食べログの人気レビュアー・食道者氏)
◆ 「★1つ」の口コミの中身を読もう
高く評価している人が多くても、「★1つ」の評価が1つあるだけで、総合評価が大きく下がってしまう場合がある。
「大半のユーザーが★4つ以上つけていても、“★1つ”をつけた人がヘビーユーザーだと、総合評価がガタ落ちしてしまう仕組みになっています。注意したいのは、その口コミを読んでみると、1点をつけた理由がカード払いのトラブルなど、味や接客とは関係ないことだったりするのです」(松浦氏)
※週刊ポスト2016年9月30日号