首相自身、この夏、地元・山口での講演で任期延長への意欲をにじませた。明治維新から50年後に山口県出身の寺内正毅、100年後に大叔父の佐藤栄作が首相を務めていたことに触れ、こう語った。

「私は山口出身の8人目の首相。何とか頑張って平成30年(2018年)までいけば、(明治維新150周年も)山口県出身の安倍晋三が首相ということになる」

 明治維新150周年は2018年10月だが、安倍首相の総裁任期はその前の同年9月に切れる。首相として山口で予定されている「明治維新150周年事業」のイベントに出席し、故郷に錦を飾るには任期延長が不可欠なのだ。

 官邸は解散・総選挙をにらんだ政治日程を組んでいる。例年1月の通常国会召集前に開催する自民党大会を来年は3月に延期することを検討していることだ。

「総裁任期を延長する党則改正は党大会の承認が必要だが、年末にかけて臨時国会、予算編成と日程が立て込んでいる。党大会を1月に開くと意見集約が間に合わない恐れがある」

 自民党幹部はそう解説するが、理由はそれだけではない。

 安倍首相が「消費税増税見送り」を掲げて解散した前回総選挙(2014年12月)の後も、翌年1月の党大会を3月に延期した。今回、執行部が強引に突破すれば1月党大会での党則改正は十分可能なはずだが、あえて党大会日程の延期を検討しているのは、あらかじめ選挙日程を空けておくためとみれば合点がいく。

※週刊ポスト2016年10月7日号

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