国内

「このままでは音楽業界の収益が減る」チケット転売の問題点

音楽業界4団体がチケットの高額転売に反対する声明を発表

 9月14日、アイドルグループ・嵐のコンサートチケットを無許可で転売したとして、香川県に住む25才の女が逮捕された。女は2年前からコンサートチケット約300枚を転売し、約1000万円の売り上げを得た疑いがある。

 しかし、ネットのオークションサイトでは、嵐のコンサートチケットは今も1枚数十万円の高値で多数出品されている。なぜ、数いる出品者の中でこの女は逮捕されたのか?

 チケット高額転売問題に詳しい一般社団法人コンサートプロモーターズ協会総務委員の石川篤さんが説明する。

「転売サイトで手に入れたチケットをさらに転売していたため、古物営業法違反(無許可営業)の疑いで逮捕されたのです。転売チケットは古物にあたるため、売買を行うには都道府県の古物商の許可が必要です。逮捕された人は、転売目的でまとまった数の転売チケットを購入し、継続して販売を行ったため、営業だと判断されたのです」(以下「」内同)

「音楽の未来を奪うチケット高額転売に反対します」。日本音楽制作者連盟などの音楽業界4団体が8月23日、嵐やサザンオールスターズ、福山雅治など100組以上のアーティストとFUJI ROCK FESTIVALなど20以上のイベントの賛同を得て、コンサートチケットの高額転売に反対する共同声明をWebサイトや新聞などで発表し、大きな話題を呼んだ。

 声明では、コンサートのチケットを買い占め、価格を釣り上げて転売する個人や業者により、チケットが本当に欲しいファンの手に渡らないことに強い憤りを感じていると表明。転売サイトで偽造チケットが売られるなどし、犯罪の温床になっていると指摘。また、高額転売によってファンが経済的損失を受け、コンサートを楽しめる回数やグッズ購入の機会が奪われる可能性があるとしている。

 コンサート会場前や道路など、公共の場所でチケットを転売するダフ屋行為は、各都道府県の迷惑防止条例で禁止されている。しかし、公共の場所にインターネットは含まれないため、法的に取り締まれない。ではなぜ、今このタイミングで声明が発表されたのか。

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン