「個人間のチケット売買を仲介するWebサービス『チケットキャンプ』の登場が大きい。確かにこれまでも『ヤフオク!』などのオークションサイトでチケットの高額転売は行われていましたが、詐欺などのトラブルに巻き込まれるリスクが高く、チケットを購入するユーザーにもうしろめたさや罪悪感がありました。
しかし、『チケットキャンプ』が登場し、大量のテレビCMを放映したことで、チケット転売が健全で、安心して行えるものだというイメージに変わってしまった。そのため、転売チケットを購入するユーザーがぐっと増えて、転売屋が転売目的で購入したチケットを、より売りやすい状況にしてしまいました」
だが、チケットの高額転売によって利益を得るのは転売屋と、取引の際に手数料を徴収する転売サイトのみ。ファンは高額を支払うが、そのお金がアーティストに還元されることはない。
「たとえばもともとは8000円のチケットを3万円で購入したファンがいて、コンサートグッズやCD代として使えたはずのお金をチケット代としてつぎ込んでいたなら、お金が転売屋に流れていたことになります。すると、音楽業界の収益はどんどん減っていってしまう可能性が高いのです」
この現状に危機感を強め、音楽団体から各アーティストに声をかけたところ、予想以上に多くの賛同が得られ、共同声明を発表するに至った。
※女性セブン2016年10月27日号