私自身も出版界に長くいますが、作家と校閲者、編集者と校閲者はいわばコラボ関係にあります。それは、例えば舞台の上に立つ役者や歌手と、舞台上では見えない大道具小道具担当、照明係、演出家、といった関係にも似ているかもしれません。

 つまり、どちらが偉いかという上下関係ではなくて、仕事の内容に「違い」があるだけ。ポイントは、どちらも存在しなければ成り立たない、互いが補完し合う関係だということ。

 だからドラマの中で、メリハリや緩急をつけるのはOKでも、仕事に上下関係をつけたり、明暗をつけるのは、NG。私はそう思います。

 もし、このドラマに一点だけ注文をつけさせていただくとすれば……河野悦子という個人にとって「ファッション誌の編集」という仕事は憧れでも、それをわかりやすく表現するために校閲部だけを地下空間に押し込め、ことさら暗く描く必要もない。ただ、別のフロアにすればいい。全体を俯瞰する「編集」という仕事と、細部を注意深く見る「校閲」。その違いを徹底的に描けばいい。

 想像とはあまりに違う仕事に、主人公は最初すったもんだするけれど、次第にその奥深さや凄さに気付く……そこに人間関係、恋愛関係をからめていけば十分に面白くなるのでは。文句なく、人気コメディドラマになるはず。

『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』は応援したいエンタテインメントドラマ。だから頑張れ、校閲ガール!

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン