ビジネス

波乱万丈・すしざんまい社長の初競りマグロ落札は恩返し

「すしざんまい」の木村清社長(64才)

「志なり、燃えるものがあるから人に感動していただけるし、お客さんにも来ていただけるんじゃないかな」

 インタビューで熱い言葉を話す「すしざんまい」を運営する「喜代村」の木村清社長(64才)はパワフルな人物で、精力的に動く。デスク業務をしながら食事をとったり、空いた時間は社内ミーティング。友人やお客さんから相談があると言われれば、当日でも会食の約束をする。

 そんな木村社長だが、壮絶な人生を歩んできた。

「父親の葬式の時、4才だったんですが、その時に上空をジェット機が飛んだんです。あれに乗ってみたいな~って思って、15才で航空自衛隊に入隊したんです」

 しかし、パイロットの資格を取るためには大学へ入学し航空機の操縦学生になる必要があった。そこで大検に挑戦。

 2年半で見事合格し、空曹候補生の資格を得たが、訓練中の事故で目を負傷し、パイロットの夢が断たれ、5年9か月で退官することに。その後、中央大学在学中に新洋商事(現・マルハニチロホールディングスの子会社)で2年9か月働いた後、独立し、喜代村の前身となる木村商店を設立する。

「カラオケボックス、レンタルビデオ店などいろいろなビジネスをやりました。お弁当ののり弁の白身フライは44年前に私が作ったんですよ」

 しかし、バブル崩壊が木村社長を襲う。バブルがはじけた時、銀行から借り入れしていた総額百数十億円を、4500万円まで返済。しかし、メーンバンクの裏切りで、残り4500万円の一括返済を迫られた。人生最大のピンチだ。

「女房を泣かせてしまい、これではいけない。もう事業はやめようと会社を整理し、全額返済しました」

 そんな状況の木村社長を救ったのが仲間だった。おいしいマグロを獲るのが夢だろうと、何百万円もの資金を送ってくれた。

「このお金でマグロを2匹獲りました。それからみんなにお金を返して金利の代わりにマグロを分けたんですよ。持つべきものは友達だね。女房にも、こんなにいい友達がいるなら、事業をやってもいいよって言われました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン