「受験では親の影響力が低年齢になるほど高く、仮に幼稚園が80%くらいだったら、小学校受験で60%、中学で40%、高校で20%といった具合です。ですから小学校受験は“60%が親の責任”って言われると、親は“頑張らなければ”って思い悩みます。えげつない話ですが、学校側は親の様子やしつけだけでなく、職業・学歴なども見ています。それは親の職業が悪いとかじゃなくて、学費をちゃんと払える家庭かどうかも判断する一つの材料なんです。学校からするとそれは大事な点ですからね。でも親からすると、親の責任によってかわいいわが子の受験が左右されると悩んで、うつになるケースも多いのです」
今年2月、神奈川県で、第一志望の高校受験に失敗した母子が心中をはかるという痛ましい事件も起きている。
「うつになるかたは、自分が実現できなかった夢や希望を子供に託しているかたが多い。学歴があったら、あの学校に合格していたら“もっと違った生活が待っていたかもしれない”っていう思いが強いので、その思いを子供に託してしまいます。そうなると子供のことを考えているようで、結局は自分の夢や希望を子供に押しつけているだけになる。
すると中にはうつになったり、深く思い悩んだりされるかたがいらっしゃいます。逆にもともとお受験を考えていなかったのに、周りが受験するからなんとなく受験を始めたっていうかたも、軸がぶれやすいのでうつになりやすかったりしますね」(末木さん)
※女性セブン2016年10月27日号