各神社は神宮大麻の“売り上げ”の他に、それぞれの神社庁を窓口にして神社本庁に納付金名目で会費のようなものを支払っている。その額は基本的に氏子の数で決められる。この場合の氏子数はその神社の地域人口をもとに算出される。

 神社本庁は国勢調査の人口をもとに各神社庁からヒアリングを行い、各都道府県の納付金額を決める。割り振られた金額から神社庁は、管轄の各神社の規模や事情を加味して負担する額を決定する。

 正月に1万3000人の参拝がある東北地方の某神社では、年間36万円を神社庁に支払っているという。年間の納付金が数千円の神社もあれば、数百万円の神社も存在する。それは社務所もない無人の神社もあれば、初詣に100万人規模が訪れる有名神社もあるからだ。

 勅祭社である東京の明治神宮は、神社としては浅い100年ほどの歴史で氏子数は知名度に比べて多くないが、初詣には300万人が訪れ、神宮外苑に結婚式場や競技施設などを持っている大神社である。こうした事情も納付金額に反映される要素である。神社本庁は本年度の納付金額は一般会計予算で約10億円としている。そのほか各神社の厚意による寄附収入もある。

 この“上納”システムを各神社はどう捉えているのか。北日本にある別の神社の宮司が語る。

「行事などで突飛なイベントをやっても『いかがなものか』と言われるくらいで、神社本庁から厳格に管理・指導・強制されることはない。むしろ神職として研鑽を積むための研修を催してくれたり、神社神道が危機に陥ったときには神社本庁が盾になって守ってくれたりするといったメリットがあるのです」

 神社本庁に属する被包括神社は、さながら神社本庁の下で運営するフランチャイズ企業を彷彿とさせる。このようにして日本一の宗教法人は成り立っている。

※SAPIO2016年11月号

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン