ポリフェノールに寿命を延ばす効果がないわけではないが、赤ワインを大量に飲んでまで摂るのは、アルコールの発がんリスクを考えれば意味がないという。
「赤ワインに含まれるポリフェノールの一種であるフラバノールは、血圧、心血管疾患の改善や、インスリン抵抗性の減少、認知機能の改善が期待されていますが、他にも紅茶、緑茶、チョコレート、ブドウやリンゴなどの果物の皮に多く含まれます」(前出・大西氏)
フラバノールの含有量で比較すると、赤ワインは1リットルあたり80~300mgであるのに対し、紅茶は同60~500mg、緑茶は100~800mgと、実は同じかそれ以上含まれている。りんごは1kgあたり20~120mg、チョコレートは同460~610mgである。つまり、他の食品でも十分に摂取できるということだ。
がん患者の食事指導を行なっている西台クリニックの済陽高穂院長は、赤ワインを利用するなら、別の方法があるという。
「アルコールを摂り過ぎると肝臓などを傷めて免疫力を下げてしまうわけですから、赤ワイン煮のように、加熱してアルコールを飛ばしてしまう料理にすればいいのです」
これなら、赤ワインの味もほのかに楽しむことができる。
※週刊ポスト2016年11月4日号