国内

トクホの存在意義ゆらぐ事態発生 制度運用の欠陥も存在

本当にメタボに効果があるのか?

「メタボが気になるので、ランチの時は必ず“脂肪を減らす”お茶を飲んでいます」(50代男性)

「最近はトクホマークの飲料しか買わなくなりました。ちょっと高いけど、長生きのためなら惜しい出費じゃない」(70代女性)

「国の許可」を得ているだけあって、トクホに対する消費者の信頼は高い。トクホとは健康維持のため、特定の機能を持つ成分を含む食品のこと。国による許可制で、食品メーカーは効果や安全性を示すデータを消費者庁に提出する。その後の審査をクリアして晴れてトクホマークを取得できる。

 制度が始まったのは1991年。当初は年間数十品目程度の申請だったが、2003年の花王「ヘルシア緑茶」、2006年のサントリー「黒烏龍茶」などのヒット商品が誕生すると市場は急拡大。1997年に1315億円だった市場規模は6400億円(2015年度)に達した。

 2008年のメタボ健診義務化などの影響で、健康志向が高まったことも追い風となり、今年10月25日現在の許可品目数は1275品目にのぼる。そのうち約60%が飲料で、ガムやビスケットといった菓子類などが続く。機能表示では「整腸効果」「脂肪対策」「血糖値対策」がベスト3だ。

 ところが、そんなトクホの存在意義を大きく揺るがしかねない事態が発生した。9月23日、消費者庁が日本サプリメントが販売する「ペプチドシリーズ」と「豆鼓シリーズ」の6商品の許可を取り消したのである。同社は自主検査によって有効成分が規定値不足だったことなどを昨年4月までに把握していたが、その後1年半にわたって販売を継続し、今年9月になってようやく消費者庁に報告した。日本サプリメントはこう説明する。

「ペプチドシリーズは、トクホ申請当時から原料・製法・検査方法のいずれも変更していないにもかかわらず、なぜか成分量が規定値を満たさなくなった。豆鼓シリーズは、トクホ申請時に許可を取得した成分が、その後の検査で違う成分だと判明したのです。把握して以降、原因を調査しましたが、特定できないまま消費者庁に報告しました」(営業部国内営業グループ)

関連キーワード

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン