10月5日、消費者庁の岡村和美長官は会見を開き、「日本サプリメントに対して『今回の件は非常に遺憾であり、消費者の信頼を裏切り、更にトクホ制度の根幹を揺るがしかねない重大な事案である』旨を社長に直接申し渡した」と語った。

 この事態を受けて消費者庁は全てのトクホ商品に関する最新の成分調査の提出を指示した。10月26日には、業界団体が各メーカーから集めた調査結果を消費者庁に提出し、11月中に公表されるという。NPO法人食品安全グローバルネットワーク事務局長で鈴鹿医療科学大学客員教授の中村幹雄氏は制度運用の欠陥を指摘する。

「制度が始まった当初は2年ごとに審査をやり直す更新制でしたが、1997年の規制緩和で廃止され、それ以降は事実上の永久免許制になっていた。その後食品偽装などが社会問題となる中で、トクホについても、更新制の復活や抜き打ち検査実施が提言されましたが、実現しなかった。(日本サプリメントの報告は)起こるべくして起きた問題だといえます」

 そうした声も受けて、今年度中に消費者庁による抜き打ち調査が行なわれることが決まった。

「市販のトクホ食品をランダムに選び、第三者機関に調査を依頼します。有効成分の含有量が申請通りに入っているかをチェックします」(食品表示企画課)

 制度開始から25年。トクホをめぐる環境は大きく変わろうとしている。

※週刊ポスト2016年11月11日号

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