佐藤浩市は父との確執がたびたび取りざたされた
『菊とギロチン』を手がける瀬々監督は『感染列島』(2009年)や前出の『64ロクヨン』で主演の佐藤とタッグを組んでいて、気心の知れた仲だ。ところが、佐藤の知人は「今回の抜擢には浩市さんは一切タッチしていません」と明かす。
「浩市さんは寛一郎さんが役者になるサポートを一切しませんでした。浩市さん自身、三國さんに突き放されたからこそ、ここまでこられたということを誰よりもわかっている。だからこそあえて寛一郎さんを突き放すことを選んだ。息子に対して、“自分の力で上ってこい”という気持ちなんです。
それに自分が『三國連太郎の息子』と言われること自体が、演技の実力が評価されていないように思えて苦しんだ時期もあったので、息子にはそういう思いをしてほしくないという“親心”もあったかもしれません。三國さんの“男の遺言”を受け継ぎ、息子にあえて厳しい道を進ませるなんて、実に浩市さんらしい」
とはいえ、三國と佐藤の血を引くサラブレッドのデビューとなれば、自ずと注目が集まるのも無理はない。すでに映画業界の水面下では「彼をキャスティングしたい」という話で持ちきりだ。
「寛一郎は『菊とギロチン』の他にもう1本、来年公開の映画の撮影に参加しています。いずれも話題作なので、じっくりと作品を選んだ上での“満を持して”のデビューになりそうです。今後の注目はなんといっても、浩市さんとの親子共演でしょうね」(別の映画関係者)
親子3代にわたる長い物語を受け継ぐ寛一郎。父とほぼ同じ、20才での役者デビューとなる。
※女性セブン2016年11月17日号