ライフ

悪化すると新型うつにまで至るぎっくり首の危険性

「ぎっくり首」に要注意(写真/アフロ)

 朝起きたら、突然首に激痛が走った、くしゃみなど、ちょっとした動作が原因で首が痛んで動かなくなった。こういった症状は、“ぎっくり腰”ならぬ、“ぎっくり首”と呼ばれ、ここ最近患者が急増していると、東京脳神経センター理事長の松井孝嘉さん(「」内、以下同)は言い、その原因をこう続ける。

「ぎっくり首とは、“頸筋症候群”のひとつで、首の一部の筋肉がかたまる“こり”が原因です。日本の成人の約9割が首になんらかのトラブルを抱えていますが、なかでも首こりは、首だけでなく心身のあらゆる不調“不定愁訴”の原因となる厄介な症状です」

 首こりからは、頭痛、めまい、自律神経失調症の3大症状を発症するといわれている。しかし、実はそれだけにとどまらず、自律神経失調症から、動悸や息切れ、微熱が続く、冷え・のぼせ、目が乾く・かすんで見づらい、お腹の調子が悪い・吐き気がするといった症状につながっていくことがわかっている。さらに進行すると、パニック障害、新型うつ(自律神経うつ)、慢性疲労症候群を招くのだ。最悪は自殺に至ることも。このように恐ろしい危険性をはらむ、ぎっくり首。

 近年、首にトラブルを抱える人が急増している背景には、PCとスマホの普及があるという。長時間うつむいた姿勢でいると、首の筋肉がかたまり、動きにくくなるのだ。ではなぜ筋肉がこわばると、ぎっくり首が起こるのか?

「筋肉は働き詰めだと酸素と栄養が入りにくくなり、ゆるまなくなります。さらに代謝が落ちると、筋肉が骨や金属のように硬化。そこで急に伸ばすと筋肉が損傷して炎症を起こし、激痛が走ります。これが、ぎっくり首の正体です」

 ぎっくり首の場合、痛みが走ったら、とにかく安静にして、痛みが鎮まるのを待つしかないという。この時、絶対にやってはいけないのが、固定したり、強い力でたたいたりもんだりすることだという。

「レントゲンで首の骨に異常が認められた場合は、頸椎カラーなどを装着して固定することがあります。しかし、首こりの場合、骨ではなく筋肉の異常なので、カラーで固定すると、かえって治りにくくなります。なぜなら、固定することで、正常な筋肉にも負担がかかり、首全体の筋肉バランスが崩れるからです」

 さらに松井先生は、「首は脳の一部で、間違った治療はさらなる不調につながる」と続ける。

「首の筋肉は生命維持に深くかかわる副交感神経の要の部分にあり、とてもデリケート。そんな大切な部分を自己流でたたいたりもんだりしてはいけません」
 
 首こり対策の基本は、“動かさず安静にして、温めること”。

 寒暖差の激しいこの季節は特に体全体が冷えやすいので、日頃から首まわりを温め、柔軟性を高めておくことが大切。

※女性セブン2016年11月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン