2004年にはテレビ番組『アプレンティス』の司会者を務め、歯に衣着せぬ発言で人気者になり、選挙活動のために2015年に降板するまで出演を続けた。“低俗”といわれるこの番組こそが、トランプ氏の顔をお茶の間に広め、下層労働者たちの支持を集める最大の要因だったともいわれている。
自らメディアに出て行ったのは、その効果を彼が知るからだ。『トランプ自伝』の中でこう綴っている。
《人と違ったり、少々出しゃばったり、大胆なことや物議をかもすことをすれば、マスコミがとりあげてくれるということだ。私はいつも人と違ったことをしてきたし、論争の的になることを気にせず、野心的な取引をしている》
選挙中、数々の過激な発言で騒がせてきたが、それもトランプ氏流のメディア戦略だったのだ。しかし、その一方で「暴言は単なるパフォーマンスではない」という見方もある。
「私にトランプを紹介してくれたアメリカの広告代理店の副社長に今回、連絡したら“ドナルドをよく知る立場からすると、彼は公約に掲げたことは絶対やろうと努力する。彼はそういう人間だ”と言っていました。トランプはとても頭のいい男ですから、実現のためにあらゆることをやってくるでしょう。ただ、強引にやるだけではなく相手側と話し合いながら着地点を見つけるのではないかと私は見ています」(植山さん)
※女性セブン2016年12月1日号