また、おれ自身もリカに似ているのかもしれません。自分勝手で、感情をすぐ相手にぶつける。同じようなタイプに惹かれるし、同じタイプだから揉める。
20代は、外食の店選びで「おれはこれが食べたい」「私はあれが食べたい」と、よく言い合いしてましたね。
そういえば、「こんなに好きやねんから、同じぐらい愛してくれよ」って彼女に言ったことがあります。これを漫画的に誇張したのが、リカの「24時間抱きしめて、24時間愛してるってささやいてよ!! あたしはできるわ」という言葉だと思うんです。
『東京ラブストーリーAfter25years』では、リカとカンチは、お互い別々の家庭を築いています。
読む前のおれの予想はこんな感じでした。いろいろあって結ばれたリカとカンチが、「あの時あんなことがあったよな」って、結婚に至るまでの物語を回想で振り返る展開だと勝手に思っていたんです(笑い)。
予想は外れました。お互いの関係性は、恋愛対象ではあるけれども、どこかおれらでいう相方じゃないけど、腐れ縁の関係でした。
柴門さんの作品は、ファンタジーとリアリティーがマッチしているんです。バランスがいい。「24時間抱きしめて、24時間愛してるってささやいてよ!!」って言う人はいないと思うけど、おれみたいに実際に言っている人がいる(笑い)。
Hなシーンも、エロくないけど、めっちゃエロいんです。そこがおもしろい。
※女性セブン2016年12月22日号