ライフ

この仇討ちで日本の歴史が動いた 「日本3大仇討ち」紹介

1582年山崎の戦いは秀吉が信長の仇を討った PPA/AFLO

 12月14日は、日本人なら誰もが知る「討ち入り」の日。しかし、日本史上には歴史を大きく動かした仇討ちが多数存在する。極めつけに有名な3つの仇討ちについて解説する。

【仇討ち1】「曾我兄弟の仇討ち」(1193年)

 鎌倉時代の武士、曾我祐成(そがすけなり)と曾我時致(そがときむね)の兄弟が、父親の仇である源頼朝配下の御家人、工藤祐経を(くどうすけつね)討った事件。仇討ちは、頼朝が富士で行った巻狩り(大規模な狩猟)の際に行われた。「赤穂浪士の討ち入り」「伊賀越えの仇討ち」に並ぶ“日本三大仇討ち”の一つ。

「17年の年月をかけ父親の仇敵を追い、多くの困難を乗り越え本懐を遂げたことで、曾我兄弟は“武士の模範”とされました。後に仇討ちが武士のしきたりになっていくきっかけや根拠となった最初の事件です」

 ただし、同事件は単なる復讐ではなく所領争いの側面もあったと言われている。また、源頼朝の出先で事件が起きたこともあり、「兄弟は頼朝の暗殺も図っていた」とする陰謀説も根強い。

【仇討ち2】「鍵屋の辻の決闘」(1634年)

 岡山藩主・池田忠雄が寵愛する小姓の渡辺源太夫に、藩士・河合又五郎が横恋慕。関係を迫るが拒絶されたため源太夫を殺害した。渡辺源太夫の兄・数馬は剣豪の荒木又右衛門に助太刀を依頼。逃亡中の又五郎を伊賀道中の鍵屋の辻で待ち伏せ討ち取った。「伊賀越えの仇討ち」とも呼ばれる“日本三大仇討ち”の一つ。

「渡辺数馬と荒木又右衛門の前には十数人の敵が立ちはだかりましたが、渡辺側がわずか4人で討ち取ったことで評判になりました。この一件で“仇討ちは武士の美学”という観念が成立し、江戸時代以降、仇討ちの記録が急増することになります」

関連記事

トピックス

渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》週刊ポストが1年前に託された最後のメッセージ「私の人生は野球に始まり、これからも常に野球とともにあります」
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
長嶋茂雄さんとの初対戦の思い出なども振り返る
江夏豊氏が語る長嶋茂雄さんへの思い 1975年オフに持ち上がった巨人へのトレード話に「“たられば”はないが、ミスターと同じチームで野球をやってみたかった」
週刊ポスト
元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
《泥酔女性客に睡眠薬飲ませ性的暴行か》警視庁逮捕の元タクシー運転手のドラレコに残っていた“明らかに不審な映像”、手口は「『気分が悪そうだね』と水と錠剤を飲ませた」
NEWSポストセブン
金田氏と長嶋氏
《追悼・長嶋茂雄さん》400勝投手・カネやんが明かしていた秘話「一緒に雀卓を囲んだが、あいつはルールを知らなかったんじゃないか…」「初対決は4連続三振じゃなくて5連続三振」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン
「秀才」に突然訪れた“異変”の原因とは(イメージ)
中受で超難関中高一貫校に入学した「秀才」に突然訪れた“異変”の原因とは「腹痛と下痢を繰り返し、成績は最下位クラス…」《エリートたちの発達障害》
NEWSポストセブン
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
NEWSポストセブン