株式市場が「トランプ相場」に沸いている。年央に停滞した日経平均株価は年初来最高値を超え続けた。では、具体的に今、この年末年始に仕込むべき銘柄は何か? 投資情報会社フィスコのアナリスト・田代昌之氏は米国のエネルギー政策に注目する。
「トランプ氏は、エネルギー省長官にリック・ペリー前テキサス州知事を起用する方針を固めたと報じられました。ペリー氏は、地球温暖化に懐疑的なスタンスで、石油採掘事業などを促進すると見られます」
そこで田代氏が挙げるのが、大型石油タンクの設計から製作、試運転まで手がける石井鐵工所、石油・石化プラントを建設する東洋エンジニアリングだ。
「12月10日にOPEC(石油輸出国機構)と非加盟国が15年ぶりに協調減産に合意したことから、原油の価格がさらに上昇する可能性があります。これらの銘柄は恩恵を受けやすい」(田代氏)
続いて田代氏が注目するのが、「シェールガス関連」。従来のガス田とは異なる堆積岩の層から採取されるとあって、米国では新しい天然ガス資源として重要視されるようになった。シェールガス向けパイプを米国で生産する丸一鋼管が関連銘柄の代表だ。
「トランプ氏はシェールガス関連の規制緩和に言及したことがあり、方向性は明確。掘削装置(リグ)の稼動件数も増加していることで、シェールガス関連銘柄が上昇する可能性は高いと思います」(田代氏)
シェールガス関連銘柄として、北米のシェールガス生産に使用する遠心分離機を手がける巴工業。巨大なリグ設備を所有し、原油・ガス田の掘削を請け負う日本海洋掘削も注目株だと田代氏が続ける。
「原油価格が1バレル50ドル水準であれば、米国のシェールガス関連企業は十分利益を出すことができます。原油価格が回復している今、そうした報道があるたびにシェールガス関連が注目を集めそう」
※週刊ポスト2017年1月1・6日号